ヨハネの黙示録・全ての謎が分かる

The Seven Seals

◆◆◆ 大地動乱の時代 ◆◆◆
2011.08.19 窪田光治

はじめに

1.八ヶ岳南麓天文台の地震予報研究
 1-1 福島付近と直感した理由
1-2 予報のメカニズム 1-3 実績と評価 1-4 研究のためのサポーター

2.大地動乱の時代
2-1 教訓 2-2 地震発生のメカニズムと巨大地震
2-3 首都直下型地震 2-4 南関東大地震/神奈川西部地震・小田原地震 
① 正確な過去の記録 ② 既に発生周期の平均値を10年以上越えている 
2-5 連動する東海地震/東南海地震/南海地震
① 連動と周期的発生 ② 切迫している東海地震 ③ 連動の引き金は小田原地震

3.東日本大地震との比較/共通性と異なる特徴は何か
3-1 共通性 3-2 異なる特徴 3-3 何が予想されるか 3-4 浜岡原子炉/その時アメリカ軍が日本を再占領

4.世界的規模で大地動乱の時代
① ノストラダムスの予言 ② ジュセリーノの予言 ③ ヨハネの黙示録

5.大地動乱の時代を生き抜くための私の防災対策
5-1 危機管理 5-2 地震に対する危機管理 5-3 危機管理は平時にすべきこと
5-4 企業の生命線 ① 巨大地震対策は経営者の使命 ② 建物の耐震性 ③ 設備・備品の固定
④ 井戸/発電機/燃料 ◆ 破壊のメカニズム/重力加速度と共振 ◆ ライフライン復旧に要する時間
◆ 井戸 ◆ 発電機 ◆ 燃料 ⑤ 避難所としての会社・工場  ⑥ 企業活動は社会的責任
⑦ 規模拡大をせず、資金の流動性を高め、かつ保全する 
⑧ 次の飛躍のために研究開発を続ける事

終わりに 

はじめに

 2011.03.11東日本大地震が発生し、東北のリアス式海岸地帯は一瞬のうちに壊滅しました。当日、私はパソコンを打ちながら、ゆっくりとした小さな揺れを感じていました。その揺れは収まることなく、次第に大きくなっていくため、《これはかなり遠い地震だ、しかし相当に大きい、福島のあたりかも知れない》、そう直感しました。

 かなり大きな揺れが長く続いて後、収まるとすぐにテレビを付けましたが、大津波が町や村を襲う様子を見て、これは大変なことになったことを知りました。翌日、翌々日と被害の全容が分かるに従い、益々、私が恐れていた事が起きた、そう認識するに至りました。

 天変地異の襲来について、HP「七つの封印」、また拙書「七つの封印」(ヨハネの黙示録を解読・解説した書)に詳しく書いたのですが、ここでは石橋克彦著「大地動乱の時代」岩波新書を紹介しながら、この震災の意味する所、更にこれから私達が受けるであろう試練、そして何故試練を受けるのか、それを私達はどのように受けとめ、生き抜いていく勇気に変えていくことができるか、そういったことについて私が思う所を書いてみようと思います。

 (本稿は「日々神理の探究」において、2011.03.28から約3ヶ月間、掲載した記事の内容を整理したものです。)

1.八ヶ岳南麓天文台の地震予報研究
     
 今回の東日本大地震の揺れを感じている正にその時に、何故、福島付近と直感したのか、その理由からお話ししましょう。

串田嘉男著 「地震予報に挑む」 PHP研究所 2000.09.01

 地震予報研究のいきさつ、予報原理、体験談など、八ヶ岳南麓天文台の所長が書いた本です。超新星発見や彗星その他の天体観測をしていた彼が、何故、地震研究に身を転じたのか、それはFM電波を用いて流れ星を観測していたとき、ある奇妙な現象に気づいたことに始まります。

1-1 福島付近と直感した理由

 私は、八ヶ岳南麓天文台の会員であり、一年以上前から、福島を中心とした大地震M7.5±0.5の地震予報に関する実験報告を、数日に一度の割合で受信していたからです。そして、何月何日頃に発生するか、その時期を特定することに実験の焦点が当たっていました。

 ただし、この予報が今回の大地震とどのような因果関係があったかという点に関しては、いろいろと議論があるのだろうと思います。10年以上前から私は会員でしたので、小規模の地震予報における発生月日、震源地、その規模について、かなり高い確率で的中してきたという実績があると断言できます。

 一方で、海底が震源地の場合、前兆現象が減衰してしまい、充分なデータとして捕らえられないことが分かっています。ですから、八ヶ岳南麓天文台では、今回の前兆現象をM9という巨大地震の前兆とは言っていないのです。

 前兆現象は今も続いており、まだ相当なエネルギーが残っているようで、近々大地震が発生する可能性を示唆しています。地震発生前に、会員以外に情報を漏らすことを禁じられていますので、これ以上は言えません。

 今回の巨大地震の前兆が地形の歪みとして福島付近にも現れていたであろうと私は思います。因果関係があるのかないのか、前兆であったか否かは別にして、八ヶ岳南麓天文台の地震予報研究とはどういうものかを是非皆様に知って欲しいと思います。

 予知ではなく《予報》という言葉を使用するのは、天気予報と同じように日常的に発生する地震を、毎日のように予報として発表できるようにしたいという研究者の願いがあるからです。

 ● その後の前兆現象

 先週-前兆現象は今も続いており、まだ相当なエネルギーが残っているようで、近々大地震が発生する可能性を示唆しています-と書きました(2011.04.04)。そして、2011.04.07 23時32分頃、宮城沖M7.1の余震が発生し、多くの怪我人とともに広い範囲で停電になりました。更に、2011.08.03現在、やはり東北地方で大地震の前兆現象が報告されています

1-2 予報のメカニズム

 八ヶ岳南麓天文台という私設の天体観測所で、所長の串田さんという方が、FM電波を用いた流れ星の観測をしていました。そしてその記録データには航空機と流れ星のエコーが記録されるのですが、原因不明の波形異常が記録されることがあることに気づきました。そして、奥尻島の地震や、阪神淡路大地震などが発生する以前に、電波の異常波形が記録されていたことから、地震の前兆現象がFM電波の波形と因果関係があることを突き止めたのです。

 地表は土が覆っていますが、地下深くは花崗岩などの岩石であり、岩石とは様々な物質による結晶体なのです。結晶体とは一種の半導体であり、この結晶体に圧力がかかると数万ボルトという高い静電気が発生します。逆に電圧を結晶体にかけると、結晶体が伸びたり縮んだりします。交流をかけると振動します。これをピエゾ効果といい、広く私達の周囲で使われています。マイクロフォン、イヤホン、その他の電子音などは皆この原理を用いているのです。あるいは、電子ライター、着火器なども同じ原理であり、高い静電気を放電させることで、着火させています。

 地下深くにおいて岩石が広範囲に大きな力を受けていると、高圧の静電気が発生し、それが地表に帯電します。そうすると、地上約50Km付近にある電離層にもコンデンサーの原理で反対の電荷が貯まります。そうすると、電離層で反射するFM波の波形が通常とは異なります。

 全国各地にあるFM放送の電波はそれぞれ周波数が異なります。それを八ヶ岳南麓天文台の数十台の記録計でそれぞれの放送局の電波をある方法で記録しています(ただし、電波そのものの波形ではありません)。電波は、電離層で反射するとき、鏡のように対象に反射しますから、波形に異常があったときは、放送局と八ヶ岳の中間地点の地下深くに異常が発生したことが分かる訳です。複数の放送局の波形記録から、震源地を割り出します。

 次に、いつ地震が発生するか、という問題です。岩石に巨大な力を作用させていくと、岩石が崩壊する直前に、ふっと力が抜けていく瞬間があります。この時、静電気の発生は無くなります。そして、その直後に、岩石は破壊されるわけです。ですから、前兆現象が消えた直後(一定時間後)に地震が起きることになります。そして、実験データを積み上げ、実際の地震発生の日時・規模と波形の変化を比較分析することで、経験則として地震の規模と日時を予報する事ができるようになります。

 地震予報の原理の概要は以上ですが、詳しい事をお知りになりたい方は、冒頭で紹介した所長の著書を参照してください。

1-3 実績と評価

 十数年前から、私はずっとその実績を検証してきました。小規模地震、M5かM6クラスの地震は、全国という広い範囲で見ると結構頻繁に発生していますので、八割~九割というレベルで前兆を的確に捉えており、正に予報の日時・規模共に的中することが多いと認識しています。

 しかし、大規模な地震、例えばM7以上になると、その回数が少ないため経験則の積み上げが不十分、また前兆現象の挙動も複雑であるため、どの程度的中したのか、その判断が難しい場合が多いと思います。特に、海底が震源地の場合、前兆現象が減衰してしまうため、データとして見落としたり、後から前兆であることが分かるというケースが多いように思います。

 今回のM9の巨大地震も、後からデータを分析した結果、その前兆らしき波形を捕らえていたことが分かり、FAXで会員に送られてきました。しかし、まだまだ福島付近には前兆現象が継続しており、これがM9の巨大地震とどのような関係があるのか、また実際に発生するか、それはこれから検証されるのでは無いかと思います。

 「大地動乱の時代」の中で後述しますが、今後、日本列島を襲うであろう幾つかの巨大地震、すなわち東京直下型地震、南関東小田原地震(前回は1923年の関東大地震・震源地相模湾)、東海地震、南海地震などがあります。これらは、歴史的に周期性があることが明白であり、もう何時発生してもおかしくない時期にあります。今回の宮城県沖の地震も、かなり前からいつ来てもおかしくないと言われていました。

1-4 実験研究のサポーター

 八ヶ岳南麓天文台は完全な私設研究所です。実験会員というのは、地震予報という形で数日に一度、データを受信するかわりに、会費を納め、その会費は研究費の一助となっています。十数年前に、この研究は本物だと私は直感しましたので、是非、支援したいという気持ちで今日まで来ました。

 今では、多くの自治体や企業もサポータになっていると聞きます。しかし、公式に研究が支援されているという話は聞きません。何故、この研究に対して、国家的に予算を割いて、また人員を派遣して支援しないのか、前から疑問を感じています。

 余談ですが、日本という国の悪い面、それは嫉妬の強い国民性と文化があるという事です。ですから、民間の研究者が優れた研究、発明、発見などをしても、学会が無視する傾向にあります。日本は官僚統制の強い国ですから、いわゆる権威のある専門家が認めないと、国家も動かない、そういう事がいろいろとあるようです。

 名もない研究者が偉大な発明発見をしたり、画期的な方法を考え出したりすると、いわゆる権威ある専門家は、これに嫉妬してその研究を無視するのです。そして、権威者が認めない時に、学会の誰かが認める発言をしたりすると、今度はその人が村八分にされる、それが分かっているので、学会の他の多くの人はダンマリを決め込むのです。自分の先生より優れた研究をしたりすると、今度は自分の出世が妨げられたりします。実に嘆かわしいと思います。

 かつての丸山ワクチン、そして現在のEM技術、そして私は八ヶ岳南麓天文台の地震予報の研究は非常に優れたものだと思います。EM技術は、既に世界中で使われていますからまだ良いのですが、私はこの地震予報研究を是非成功させたい、その気持ちで一杯です。多くのサポーターもそう意図で会員になっているのだと思います。

2.大地動乱の時代

  《地震学者は警告する/首都圏を大震災が襲う》
     「大地動乱の時代」 岩波新書 石橋克彦著 1994年初版

 この本は、幕末に発生した東海・東南海・西南海連動型地震、東京直下型地震、小田原地震、関東大地震などをテーマとして、当時の被害状況と体験談などを交え、系統的に書かれています。体験談を読むと疑似体験ができますので、イメージを創る上で貴重であり、読みやすく興味深い内容にまとめられています。

2-1 教訓

 今回の東日本大震災の教訓としては、

① 巨大地震は周期的に100%必ずやってくる。
② 原発は非常に危険で、トータルコストは極めて高い。
③ 津波の破壊力は極めて大きい。

これを改めて認識しすることが、まず大切なことだと思います。宮城県沖地震も周期的に来ることが知られており、何時発生してもおかしくない状況にありました。

 東日本大震災は、近代における日本の歴史、あるいは世界的に見ても、かつてない規模の災害でしたが、私にはまだこれで終わりだとは到底思えません。むしろ、来るべき本命の予行演習的災害と考えるべきだと思います。

 何故なら、今回の被害を受けた地域は、首都圏や東海に比べると、人口密度は極めて低い地域だからです。原発事故は明らかに人災によるものですが、これも過疎地域だからまだよかったものの、例えば御前崎にある浜岡原子炉だったら、如何なる事になっていたかと考えてみるべきです。

 これを機に徹底的に防災意識を高め、全国の原発を二重三重に安全対策すべきです。そして、計画的に原発を廃止していくべきであると思います。更に緊急を要する課題として、国家機能、首都機能を分散すべきであると思います。もはや、国民・国家を総動員してでもやらなくてはならない時期に来ています。

 冒頭に紹介した「大地動乱の時代」石橋克彦著によると、今後予定される首都圏、南関東、東海、東南海・南海地震が連動して発生する時、日本の国家機能と経済機能中枢部が徹底的に破壊されるであろうとしています。その被害は、今回の震災の比ではなく二桁も三桁も違うだろう、更に日本国の統治能力すら危うい、私はそう考えています。

 既に20世紀末から地震の活動期に入っていることが記されており、筆者は首都機能・国家機能を分散しなくてはならないと強く提言しています。私は15年ほど前にこの本を読み、非常な危機感を持ちました。

 当時、従業員25名ほどの零細企業経営者でしたが、従業員の生活を守るため、そしてこれから予測される震災の被害から企業が耐え抜くために、数千万円の費用と三年間を費やして、あらゆる防災対策をしました。

 自ら設計した耐震性の井戸を設置し、全工場を稼働できる発電機を備え、工場内の備品や機械類、そして事務所の書庫・机・パソコンその他、あらゆる備品類をボルトで床に固定してあります。更に、食料・調理用具・シャワー・毛布・医薬品その他あらゆる物資を備蓄してあります。

 ある危機管理の専門家が当社を見学にこられ、当社の防災マニュアル・備蓄リストを参考にしたいということでしたので、コピーをお渡ししました。今回は、その対策で設備した発電機が大いに役立っています。具体的対策の詳細については後述します。

 以下、「大地動乱の時代」の記載内容に従い、来るべき巨大地震の全容を整理してみましょう。まずは、そのメカニズムを理解すること、その周期を理解すること、そして人口密集地域では何が発生するかを考えることです。そうすれば、自助努力が極めて重要である事が分かり、真の危機管理、防災対策ができると私は思います。

 自らの命を守り、家族を守り、企業を守り、そして社会を守る、その意識を一人一人が堅持する以外にこの難局を乗り越えられない、他力本願では地獄を見ることになる、私はそう思います。

2-2 地震発生のメカニズムと巨大地震

① 主要な震源域と周期性

 日本列島の周囲には四つのプレートが入り交じっています。まずは、これを確認してください。参照 日本列島周辺のプレート

 太平洋プレート、フィリピン海プレートが日本列島の下に潜り込んでいます。詳細なプレート理論は他にゆずるとして、簡単に言へば、太平洋プレートとフィリピン海プレートというのは、地球内部から湧きだしたマグマが日本列島の下へ再び沈み込んでいるわけで、生命体である地球の活動そのものであり、物理的表現ではマグマの対流を表しています。

 《地球の活動が一定ならば》、この対流も一定の速度で行われています。そして、プレートが沈み込むときに、日本列島の東海岸が湾曲しながら引きずり込まれていき、ある限度を超えると、それが跳ね上がって巨大地震を起こします。ですから、対流の速度が一定ならば、一定の周期で必ず巨大地震は発生するのです。この周期性は非常に大切な要素です。これをプレート型地震と言います。

 このプレートにエネルギーが貯まっていく過程、さらにプレート型巨大地震が発生した後の数年間、日本列島の《陸地を震源》とする地震が盛んに起きますが、これは日本列島全体の歪みを修正しようとする作用、すなわち力の均衡・バランスをとるために発生するものです。震源が比較的浅く局地的となる特徴があり、しかし震源地に近いところは震度が大きくなりますので、極めて大きな被害が出ることが多々あります。

② 日本海溝を震源とする今回の地震

 東北から千葉県沖までの日本海溝に太平洋プレートが沈み込んでいますが、今回の東日本大地震はそれが跳ね上がった結果であり、跳ね上がるときに海水も一緒に持ち上げますから、大地震の直後に大津波が発生するのです。

 日本列島の歪みを修正する地震 すなわち時々発生するM5~M7の地震と根本的に異なり、プレート型、海溝型地震と呼ばれるものであり、日本列島全体で巨大な歪みの修正が今後数年にわたって続くでしょう。それが、余震と呼ばれるものです。

 しかしながら、今回の巨大地震が、更なる巨大地震を誘発する可能性が高くなったと私は思います。

③ 相模トラフ、駿河トラフ、南海トラフを震源とする地震

 問題は、相模トラフ、駿河トラフ、南海トラフ、すなわちフィリピン海プレートの潜り込みによって起きる巨大地震であり、歴史的な周期説さらに歪みの観測結果から、既に巨大なエネルギーが貯まりに貯まっているのです。もういつ発生してもおかしくありません。

 日本海溝は陸地からかなり離れていますが、前図が示すように、これらのトラフは陸地にかなり近いのです。従って、同じ規模の地震が発生しても、その震度は大きく、津波の高さが高く回数が多くなる、そして津波が到達するまでの時間は短くなります。近い将来、更なる試練を日本は経験することになるはずであり、東日本大地震とは比較にならない被害を発生させるはずです。

 これについては、後ほどもう少し詳しく検証します。更に、私達はどんな心構えと準備をすればよいのか、私の研究結果をこのブログで公開していきたいと思っています。

④ 日本沈没と予言書

 地球内部から上昇したマグマが冷えて固まった岩石、主として花崗岩のプレートが、日本列島に潜り込み、もし跳ね上がらなかったらどうなるか、日本列島が地球内部へ引きずり込まれる事になります。1973年刊行された小松左京のSF小説「日本沈没」を当時読み、かつ映画も見ました。もし地球の活動が活発になり、マグマの対流が早くなったりすると、理論的にはあり得る話なのです。
 実は、これが私が最も恐れているシナリオです。

 私は約15年前に、聖書の最終段に編纂されている未来予言書、すなわち「ヨハネの黙示録」を解読し、「七つの封印」と題して太陽出版から刊行しました。私は神を信じており、なぜ人類が試練を受けるのか、その理由を知っています。
 資本主義崩壊(現在進行中)、ポールシフトを含む巨大な天変地異、地球温暖化と食糧危機、最悪の流行病、その他あらゆる災害がくり返し発生し、人類の人口は激減し、地球の地形図が変化する、そのようなことが今後数十年間の続くであろうと考えられるのです。

 しかし、これは本題から外れていきますので、更なる巨大地震が日本を襲うようになったとき、徐々にコメントしていきたいと思います。もちろん、日本だけの問題ではありません。同時に、この様な「大地動乱の時代」に生を受けている私達は、一体どのような生き方を求められているのか、そういったことを話していければ良いと考えています。

 続いて、江戸時代に何度も襲ったが、この約100年間静穏を保ってきた首都圏直下型地震についてお話ししたいと思います。

2-3 首都直下型地震

① 20世紀末、既に活動期に入った

 東京、神奈川は三つのプレートが重なり合っている場所です。ですから、ここで発生する地震は直下型地震であり、M7クラスの地震が発生するだけで被害は甚大です。

 そして、M8クラスの巨大地震と、M7クラスの地震が周期的にやってくることが知られています。特に江戸時代になってからは人口も多く、地震の被害や状況描写などの記録は詳細に残っていますから、データとしてはかなり確かなものだと思います。

 傾向としてM8クラスの巨大地震の後、静穏期に入り比較的穏やかな期間が続きます。前回の活動期は1923年の関東大地震を境にして収束し、この90年ぐらいはM7クラスの地震は起きておりません。では、それ以前はどうだったか、1885年~1923年のわずか40年ぐらいの間に、南関東すなわち東京・神奈川・千葉付近で、M7以上の地震はなんと10回も発生しています。

 しかし、関東大地震を境にし幾つかの余震を経て、ぴたりと静穏期に入りました。そして、現在までの約90年間に首都圏の人口はふくれあがり、世界でも希に見る人口密集地帯となり、日本の政治経済の中枢部を形成し、そして工業と化学コンビナート地帯を創り上げてしまったのです。

 この危うさは、地震学者でなくとも、誰が考えても極めて危険であることは、一目瞭然でしよう。しかしながら不思議なことに、そんなことにお構いなく誰も真剣に取り組んでこなかった結果が現在の東京です。これを愚かと言わずして、なんと言えば良いのでしょうか。人間は集団となると、ひどい愚かさを発揮するのは何故でしょうか。

 何度もくり返しますが、長い目で見れば巨大地震は周期的に100%の確率で発生します。何故ならば、それは地球の生命活動における生理現象の一つであり、人間が呼吸するのと同じ程度に確かなものだからです。

② その時、何が起きるか

 その時、何が起きるか。これを知ることが大切です。何故かというと、具体的なイメージが脳裏に描けるまで知識を集積することが、適切な対策を考えだし、そして自らの命を守ることに繋がるからです。自らの命を救わずして、他を救うことは絶対にできません。

 ここで私が具体的な事を列挙するよりは、以下の資料を是非参照していただきたいと思います。

● Newton 2000年10月号 緊急大特集 
      神戸地震を事例に、徹底シミュレーション
      ワーストケース 東京壊滅 巨大地震 震度7 午後6時半発生

 絵図、想像図等を駆使して科学的分析とシミュレーション結果が特集されています。10年以上前のものですが、決して古くはありません。これ以上のものは今も無いと思います。

● 首都圏地震危険度マップ サンマーク出版

 東京、千葉、埼玉、神奈川県の地盤の強度、人口の集中度、化学工場地帯などを元に製作されたものであり、貴方の住んでいる場所がどの程度の危険度であるか、一目瞭然です。

③ 小説「東京大震災」

● 東京大震災 199X年の悲劇 徳間書店 アルバート・アレツハウザー著 真野明裕-訳

 これは小説ですが、具体的な疑似体験が得られるという点で一読に値すると思います。東京大震災の時、どんなイメージを貴方が描けるのか、それが大切です。想定外とか想像を絶するという表現がありますが、それでは命を守ることはできません。

 如何に正しく想像力を高めるかが大切であり、そのためには基本的な知識が不可欠なのです。これは、個人としてだけではなく、あらゆる組織、企業体、自治体、国家であっても、それを経営するのは人である以上、危機管理の原点と言えます。

 高層ビル街では、ガラスの破片が雨あられと降り注ぎ、地下街・地下鉄は瞬時に停電、真っ暗な闇の中で人々は逃げまどう時、河川や東京湾の堤防が決壊し、あるいは地割れによって、地下街と地下鉄構内に水が怒濤のごとく流れ込むでしょう。

 横浜、川崎、東京、千葉と続く東京湾の化学コンビナートは破壊され、東京湾の半分は火の海と化すでしょう。広い地域が火災になると、火災旋風すなわち火炎の竜巻が幾つも発生し、それが東京の下町付近を舐めるように動き回り、多くの人が酸欠と強烈な熱によって即死するでしょう。
 
 また、化学コンビナートに集積されている様々な薬品が火災によって蒸発し、有毒ガスとなってそれが上空に上がって風で流され、やがて冷却されると数十キロ離れた場所にふわりと降下する。例えば東京近郊のある都市まるごと、数十万人単位で人々を死に追いやるでしょう。

 東京のゼロメートル地帯、例えば銀座は水深2mに水没し、至る所が液状化してビルが傾き、高層ビルは倒壊せずとも鉄骨がガタガタになり、修理が不能になると言われています。

④ 誰が助けに来てくれるか

 この様な状況で、どこに避難し、どこえ逃げられると思いますか。誰が助けに来てくれますか。それどころではなく、国家機能そのものが破壊されるわけですから、どこからも、誰も助けには来てくれないでしょう。

 燃えるだけ燃え火災が自然鎮火した後、おそらく数週間後、アメリカ軍を主力とする多国籍軍が艦船と航空機を動員して上陸し、治安の維持と被災者の救援が始まると思います。日本は統治能力を一旦完全に失う、その可能性が非常に高いのです。

 更に、東京だけで1200万人、神奈川・埼玉・千葉を入れると3000万人以上いるわけですから、例え数万の軍隊が上陸しても、焼け石に水と良く言いますが、正にそのような状況になるはずです。食料や水が行き渡るようになるまで、何ヶ月もかかる、そう考えるべきです。

 であるならば、どうすれば良いのか。私は、一人一人が自らを救うための準備をしておく事が大切だと思います。どういうルートで、一刻も早く、東京から逃れる事ができるか、そのために何が必用か。そういう発想ができれば、いろろいろと考えを煮詰めていくことができます。ですから、東京直下型地震、あるいは東京大震災の時、何が起きるか、そのシミュレーションが一人一人にとって極めて大切なのです。

 現在進行中の原発事故もさりながら、首都機能・国家機能の分散、そして人々の避難場所の確保、これらは既に確立されていなくてはならないはずなのですが、今現在、日本は極めて危うい状況にあると言わざるを得ません。

2-4 南関東大地震/神奈川西部地震・小田原地震

 神奈川県は正に三つのプレートの交点に位置しています。ですから、神奈川を含む周辺では、周期的に巨大地震が何度も発生してきたのです。以下のサイトを参照してください。

① 正確な過去の記録

◆ 南関東直下地震

◆ 関東地震

◆ 神奈川県西部地震(小田原地震)

 東京すなわち江戸を震源とする直下型地震の記録と同様に、この小田原地震もかなり昔から詳しい記録が残っています。それは、小田原城という存在があり、宿場町があり、交通の要衝であったからです。

 そして、小田原城の石垣が大地震の度に崩壊し、それを修理したことが克明に記録されているため、地震の規模・震源地や年代が正確に把握できたのです。それによると、平均73年周期でM7以上の大地震が来ていたことが判明しています。

② 既に発生周期の平均値を10年以上越えている

 前回の小田原地震は、1923年の関東大地震であり、相模湾が震源地でした。それから既に88年が経過しているのですから、もういつM7~M8の大地震が発生しても、少しもおかしくない時期にあります。

 先に紹介した八ヶ岳南麓天文台の観測データに、大地震を予感させる前兆現象が長期に渡って現れたことが何度かありましたが、その都度終息してしまい、発生せずにここに至っています。それを前兆では無いとか、外れたとかと受けとめるのは間違いです。

 前兆を捕らえるメカニズムで紹介しましたが、その時、ピエゾ効果という原理を説明しました。これは、結晶体に力が作用するときに高圧の静電気が発生する、また逆も真であるという原理ですが、ここで一つ重要なのは、《力の変化・歪みの変化》に対応して、静電気が発生するという事なのです。

 もっと分かりやすく言うと、一定の強さの力が作用していても静電気は発生しません。力が増大するとき、あるいは減少するときに静電気が発生します。ですから、岩盤に巨大な力が掛かったまま停止したとき静電気の発生は止まるのです。前述したように、この10年ぐらいの間に何度か、前兆が現れたと言いましたが、その都度、ゆっくりとプレートまたは断層がずれたか(サイレント・アースクイック)、あるいは力がかかったまま止まっているのか、そのどちらかであると思います。

 今回の東日本大地震の結果、プレートに掛かる力のバランスが崩れましたから、本当に危険な状態にあると思います。太平洋プレートの力が抜けたため、今度はフィリピン海プレートの潜り込みがより強く作用する可能性があると思います。

 続いて、歴史的に必ず連動して発生してきた東海地震/東南海地震/南海地震について述べて見たいと思います。

2-5 連動する東海地震/東南海地震/南海地震

 まず、この資料を見てください。東海・南海・東南海連動型地震

① 連動と周期的発生

 下の方に図があり、三つの地震が連動して発生する事、かつ周期的である事を示しています。緑の横線が東海地震、青線が東南海地震、赤線は南海地震であり、わずかな時間差で連動して発生している事がよく分かります。今回の東日本大地震も、震源地は日本列島に沿う数百キロの長い距離に分布しており、幾つかの震源が連動したわけです。

 図のように、古くは200年ぐらいの周期、近年では、90年から150年の周期で来ることが分かっております。地球のマグマの活動が活発化すれば、周期は更に短くなるであろうと推察されます。

 最近では、幕末の1854年、そして太平洋戦争末期の1944年~1946年に発生しています。1944年12月7日昭和東南海地震では南紀の尾鷲が津波で壊滅したと記されています。尾鷲は私の故郷にある大きな町です、この付近には沢山の入り江があり、そこには大抵のこと集落がありましたので、おそらく今回の巨大地震や津波の惨状と同じであったと思います。

② 切迫している東海地震

 前回の発生以来64年が経過していますので、まだ時間がありそうに思うかも知れませんが、しかし地震学者は警告をしています。何故かというと、前回の地震では東南海と南海が連動して発生しましたが、東海地震が発生しなかったということにあり、東海沖には既に相当なエネルギーが貯まっていると推定されるのです。

 このグラフで見ると、この500年くらいの期間では、東海地震の周期は90年から150年ぐらいですから、1854年からすると既に157年を経過しています。つまり、東海地震は明日発生してもおかしくない、正に緊迫した状況にあると言えます。

 そして、東南海・南海もかなりエネルギーが貯まってきていますから、仮に東海地震が発生すると、東南海・西南海地震もおそらく連動して発生すると思われるのです。

③ 連動の引き金は小田原地震

 「大地動乱の時代」の著者は、小田原地震が東海・東南海・南海連動型地震の引き金になっていると記しています。

 更に、小田原地震の前に三原山が噴火するケースが多いとあり、直近では1986年に噴火し避難が解除されたのが1996年でしたので、読者の記憶も新しいことと思います。

 今回の東日本大地震は、1000年に一度の巨大地震と言われています。正に、日本列島の主要部分の半分に相当する海域で、プレートが連動的に滑ったわけです。「2-2 地震発生のメカニズムと巨大地震」の項で、マグマの対流によりプレートが一定の速度で動く事から、周期的に巨大地震が発生すると説明しましたが、では通常は一定だが、時にマグマの対流が活発になるとしたら、どうなるでしょうか。

 「大地動乱の時代」の著者も、20世紀末から日本列島は活動期に入ったと言っています。海外でもスマトラや中国でも巨大地震が発生し、1993年の奥尻島地震以来この18年間を見ると、阪神淡路大地震を含めて各地で大地震が数年おきに発生しています。私の記憶ではそれ以前には、それほど多くはありませんでした。

 マグマの活動が活発化している可能性、世界及び日本列島が活動期に入った可能性、そのような状況を鑑みると、今後関東付近の活動が活発化し、首都直下型地震、小田原市地震が発生する可能性が高く、それを契機として、東海・東南海・南海地震が連動して発生するという説が現実味を帯びる、私はそう考えています。

 それも、そう遠くない次期、例えば数年以内、あるいは明日かも知れません。ですから、この地域の人々、自治体、企業はその覚悟を決めて必死に準備をすべきです。

3.東日本大地震との比較/共通性と異なる特徴は何か

3-1 共通性

① 震源地は二つのプレートの境界付近である。
② 震源域が広範囲であり連動型の巨大地震である。
③ 顕著な周期性がある。
④ 震源は海域であり、大津波を伴う。
⑤ 日本列島の東側で発生し、列島を縦断する。

3-2 異なる特徴

① 東日本大地震(A)は極端に過疎地域であり、関東・東海地方(B)は世界でも希な人口密集地域である。
② Aはプレート境界が海岸から遠く、Bはプレート境界が陸地に近いため、震源地は直下となるか、ほとんど海岸付近で発生する。

3-3 何が予想されるか

 東京直下型地震の際に、どんなことが予想されるかについて前述しました。「3-2 異なる特徴」から、更に包括的な視点をもって考えてみましょう。、
 
 東京、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知・名古屋地区、阪神地区の人口は、日本人の約半分が住み、それもほとんどが海岸のわずかな平野に密集しています。新幹線で東京から大阪まで行ったことがある方は多いと思いますが、関東を離れるとほとんど山岳地帯であり、時々狭い平野が点在して、都市があり、工業地帯があります。

 震源域は、海岸線にごく近いこれらの地区を縦断するように存在しているのです。従って、この地区はことごとく震度7以上の揺れ、それも周期の短い縦震動の成分が多くなります。阪神淡路大地震の時のように、直下で発生した地震による縦震動の破壊力は極めて大きいものになります。

 震源域は海岸線にごく近いですから、10m相当の津波が極めて短時間に陸地に到達するはずです。東日本大地震の際は、少なくとも避難できる時間は多少なりともありました。しかし、東海・東南海・南海連動型地震の際は、おそらく地震発生と同時に、すぐ目の前に津波が見えるかも知れません。

① 日本の経済・政治の中枢部が徹底的に破壊されるだろう。
② 日本という国の統治能力喪失が予想される。
③ 予想される被害は巨大であり、如何なる救援も焼け石に水となる可能性が高い。
④ 従って、多国籍軍による日本占領と統治が必用になる可能性が高い。

 これを避けるためには、政治経済の中枢機能を地方に分散し、組織とデータのバックアップを創ることが急務です。個人、家庭、企業、自治体、あらゆる組織が防災体制を緊急課題として取り組むべきです。しかし、もう遅いのではないか、と筆者は恐れています。効果のある防災体制は、10年あるいは20年以上かけて、計画的に予算を計上し、継続して取り組まなくては実現不可能だからです。

 もっと具体的に考えてみましょう。

⑤ 人口が多すぎて被災者は避難所に入れない、食料も水も無い、だれも助けに来ない、従って多くの人が野宿をするしか方法がなくなります。

⑥ ライフラインが全域にわたって復旧するには、相当な期間が必用なのは間違いなく、それが一年なのか二年なのか、おそらく何年かかるか分からない状態が、かなり長く続くのではないかと予想されます。

⑦ 少なくとも企業活動には人が集まりますから、水と電気は必須です。従って、水と電気が長期に渡って復旧しないとなると、大部分の企業が存続の危機に直面します。

⑧ 誰も助けに来ないとすると、被災者は自ら食料と水を求めてさ迷うでしょうから、治安が著しく悪化し、日本では今まで見られなかった略奪も横行するのではないかと予想します。

 私の持論ですが、全国の公共施設・自治体・企業は、最低限の準備として、井戸を備え発電機および燃料を備蓄すべきであると思っています。同時に、シャワーを設備し、食料・毛布などあらゆる備品を備蓄すべきです。

 静岡県は防災意識が高く、15年前の時点で、既に20年をかけて約2000億円を投じたと、何かで読んだ記憶があります。

3-4 浜岡原子炉/その時アメリカ軍が日本を再占領

 2011.03.11地震と津波による福島原発の被害は、全世界に衝撃を与え、2011.08.17現在、今なおまだ予断を許さない危機的状況下にあります。

 今回の事故が人災と言われる所以は、原子炉行政の在り方にあるからです。自民党政権下での官僚・業者・政治家の癒着構造の中でお互いに甘い汁を吸い、安全性よりコストを優先してきた行政の構造そのものが産んだ事故です。

 ですから、これは福島だけではなく他の地域の原子炉も基本的には同じです。国会でも、津波や電源喪失の際の危険性は前もって指摘されており、今回の事故は決して予想できなかった事ではなく、責任ある立場の人が予想することを避け、目を瞑り、利益を優先した結果と考えるべきです。

 余談ですが、福島の方には気の毒な言い方かも知れませんが、原子炉を誘致した事で、福島県に多額の補助金・固定資産税が落ち、さらに雇用機会が生まれ、その恩恵を多くの方が受けて来たという事実があります。つまり、原子炉を誘致した福島県にも、原子炉事故に対する責任があるということです。

 では浜岡原子炉はどうなのか。充分な対策をしてあると報じられてはいますが、震源域と地震の規模によっては津波は想定を越えるかも知れませんし、直下型地震に近い事を考えると、震度7に耐えられると机上の計算で言っても、想定外を連発して言い訳をする専門家を素直に信じることはできません。本当に何が起きるか分からないのです。浜岡原子炉は首都圏、関西圏に近く、非常に人口密度が高いという点では、福島よりもはるかに深刻です。

 私はある本で読んだ記憶があります。東海地震発生において、最悪の場合、浜岡原子炉が深刻な被害を受け大量の放射性物質を放出するだろう、そうした場合、日本列島の中心部である東海・関東に人が住めなくなるだろう。当然のこととして、日本という国が統治能力を失い、治安の回復を図るためにアメリカ軍が日本を再占領せざるを得ない状況となる。このようなシミュレーションがアメリカのシンクタンクから発表されており、その内容は既に誰でも知ることができるのです。

 原子炉は人的な事故や地震その他の災害というリスクが高いばかりでなく、原子炉の寿命が来た時に、それを安全に解体する技術、そして様々な放射性物質の保管方法とノウハウにおいてまだまだ確立できていない分野が多く、世界中が見切り発車しているというのが現実です。

 絶対に安全と言えないものであれば、原子炉を人類は捨てるべきであり、たとえ文明の発展が多少遅れても、新たなエネルギーを手に入れる努力をすべきであると私は思います。

4.世界的規模で大地動乱の時代  
  
 東日本大震災は1000年に一度の地震規模と言われ、またスマトラ沖地震も超巨大地震でした。その後も大きな地震が何度も同じ地域で発生しています。四川大地震も記憶に新しいものです。

 地球の活動が一定ならマグマの対流も一定、すなわちプレートの移動も一定となり、プレート境界で発生する巨大地震もまた一定の周期で発生する。そして東海・東南海・南海連動型地震において、近年の周期は100年から150年くらいであった、と前述しました。

 しかし、地球の活動は一定ではありません。アトランティス大陸、ムー大陸の伝説は、激しい地殻変動を物語っていますし、地軸は大きく移動してきた事が科学的にも確かめられています。果たして、地球規模で「大地動乱の時代」が来るのだろうか。そういう視点から、幾つかの予言について考えてみましょう。

① ノストラダムスの予言

 ノストラダムスの予言は大変有名です。そして、20世紀末に何かが起きると騒がれていましたが、結局何も起きなかったため、人々はもう忘れてしまいました。そのため、予言などというものを全く無視し関心を持たない人が増えたように思います。

② ジュセリーノの予言

 90%予言が的中していると騒がれたブラジルの預言者であり、その予言集が翻訳されて日本に紹介され、一時のあいだ大変注目されました。しかし、その後、日本に関する詳細な予言のことごとくが外れてしまい、もはやまったく注目されなくなりました。以下のリンクを参照してください。

『地球の温暖化と寒冷化/人類滅亡からの脱出シナリオ』
    『4.ジュセリーノ氏の予言はなぜ当たらなくなったのか』


③ ヨハネの黙示録

 ヨハネの黙示録の解読書「七つの封印」

 黙示録とは予言書という意味です。ヨハネの黙示録の内容は、上記のリンクを参照していただくと良いのですが、①②に比べると、余り細かい予言はない代わりに、大きな流れとしての内容となっています。ヨハネの黙示録は、正に現代についての予言であることを私は証明し、そして、現在進行中のこと、これから起きること、人類の方向性、そういう解説をしてあります。興味のある方は是非御一読下さい。

 予言というのは、人類が持つエネルギーに関するシミュレーションと言えるものです。シミュレーションですから、条件が変われば、予言内容も変わるのです。

 更に、予言というと、いつどこで何が起きる、という詳細な事に人々の関心が向きがちですが、真の予言とは的中させることに目的があるのではなく、人々に警告を与え、その生き方を変えることで、予言が現実になることを避け、人類の方向性を神の意図する正しい方向に向かわせるためにあります。

 神が預言者を遣わして、その言葉を預言として人々に伝えるものであり、その中に未来の予言も含まれます。未来予言は人類を導くための方便の一つであるのです。

 こういう視点から、ヨハネの黙示録を見ると、大きな流れとしては、まったくその通りに経過しています。9.11の世界貿易センターの崩壊も、拙書「七つの封印」第三章 目前に迫った人類存亡の危機◆ 『国連の機能停止・ニューヨークの壊滅』の中で解説しましたが、その原文とそっくりの情景があります。

 現在進行中の中東諸国の革命も、イスラエルと中東諸国の最終戦争、いわゆる黙示録におけるハルマゲドンの戦いの事ですが、エネルギーの展開は正にそういう方向へと進んでいます。資本主義崩壊もしかり、地球温暖化と食糧危機も然り、現在は小康状態ですが鳥インフルエンザを初めとする流行病も然りです。

 巨大な天変地異もまたその流れの中に有り、これから地球という生命体が、人類の悪想念という雲(悪想念エネルギー)を払うため、自浄作用として地殻の活動を活発化させると思います。既にその兆候が現れていると私は今回のスマトラ、四川、東日本大地震を見て、そう考えています。

 ジュセリーノ氏の予言は極めて具体的であり生々しく、非常に大きな関心を人々に起こさせました。しかし、実際にそれが的中を始めると人々に恐怖だけを与える可能性が高いのです。そこで、一旦は外れたことにし、姿形を変えて、別な方面によく似た現象が発生する、そのような神の計らいであり、人類善導の方便であると考えるべきなのです。

 すなわち、一旦は関心を持つことで、知らず知らずのうちに心構えができ、真の巨大な災害を見ても体験しても、その精神的免疫力によって人類が希望を持ち、捨て鉢にならずに逞しく生きていけるように、そして試練を乗り越え、新しい価値観と文明を築いていく方向へと、神は人類を導こうとしています。

5.大地動乱の時代を生き抜くための私の防災対策
  
5-1 危機管理

 例えば、皆さんは日常的に天気予報を見て、今日は傘を持っていこうとか、コートが必用だとか、様々な判断をして行動しています。天気予報のように生命財産とほとんど無関係であっても、毎日のように気にしています。

 また、車を運転されるほとんどの方は、万に一つの確率であっても、事故を起こしたときは取り返しがつかないため、多額の費用をかけて自動車保険に加入しています。更に、家族を持つ一家の大黒柱として、万に一つの不慮の事故、あるいは病気で亡くなった時に備え、多額の費用がかかる生命保険に加入しています。《万に一つ》つまり1/10,000の確率であっても、皆さんはそのような危機管理を既にしているのです。

 それだけでなく、お母さん、お父さんの立場から、家庭を守り子供を育てていくなかで、常に様々な危機を予測し、それを排除してきた、あるいは現在もしているはずなのです。

5-2 地震に対する危機管理

 しかし、皆さんは巨大地震や津波に対しての危機管理はどうなっていますか。
 私は不思議に思います。これだけ、歴史的に大災害を度々経験し、地震学者の警告にもかかわらず、国家としても、自治体にしても、企業や組織、個人としても、その危機意識はお粗末すぎるというのが私の感想です。

 今回の、東日本大地震における避難所を見れば分かりますが、前もって避難所に指定されているのに、何の準備もないのです。本来ならば、井戸を掘り、発電機を備え、燃料を1ヶ月分ぐらい備蓄すべきなのです。シャワー設備、食料、毛布その他は言うに及ばずです。

 しかし、そのような備えがあった避難所の話はほとんど聞いた事がありません。電気がない、水がない、食料がない、・・・・・何とかして欲しい、そんな話ばかりです。被災した人には大変気の毒な言い方かも知れませんが、私には愚痴にしか聞こえないのです。人間は本来もっと利口であるはずなのに、これは一体どういう事なのでしよう。

 企業であっても、耐震性を考慮した建物を持ち、機械や設備をしっかりと床に固定してあれば、これ程大きな被害を被らなくて済んだのではないかと思います。私は機械の設計・施工を業務として30年以上の経験をしてきました。誰でも知っている大手の企業に機械設備を納入しても、床に固定したことは一度もありません。

 振動を発する機械は別ですが、通常の機械やコンベアーは、床に並べて置き、結合しただけです。機械は、大変重いので人間の力ではびくともしませんが、地面が震動するとき、どんな重量物も木の葉のようになってしまいます。工学的な頭脳で考えれば、ごく当たり前の事なのです。ですから、一度大地震に見舞われると、一瞬で廃墟となり、機械も修復が難しいレベルまで損傷してしまいます。
 今回の報道やコメンテイターの話を聞いていても、そういう危機管理の在り方に触れた発言は皆無です。

5-3 危機管理は平時にすべきこと

 危機管理というのは、平時に議論し対策すべきことなのです。今回の震災を機に是非大きな議論をして欲しいと思います。基本的な事を言えば、被災するのはやむを得ないとして、人災の部分を最小にし、復興を早くするための備えをあらかじめしておくことです。情報の在り方や行動のマニュアル化等、様々なシミュレーションをしておく必用があります。例えば、

① 避難所

 日本列島全体の危機管理ということであれば、全国に避難所を指定し、すべてに井戸と発電機を設置し、無線機を含めあらゆるものを備蓄すべきでしょう。個人の衣類や持ち物もある一定の範囲内で、預けておく事も考えられます。

② 仮設住宅

 仮設住宅もあらかじめ製作し、全国に分散して備蓄すべきであり、その用地もあらかじめ契約しておくべき事です。

③ 重機

 土木用の重機類等も、企業の協力を得てあらかじめ契約しておくべき事です。
 巨大地震が関東、東海、近畿、四国に100%確実にやってくると想定したら、色々な分野の立場から、やるべき事は山ほどあるはずです。今からでも、早急に取りかかるべきだと思います。

④ 原子力発電の危険性

 浜岡原子炉を取りあえず停止すると決定したことは、非常に良いことだと思います。正式な議論はこれからすれば良いのであって、なんだかんだと水を差すような発言をする人もいますが、利害とか欲という垢がついているために、物事の本質が見えていないのだと思います。

 これだけの事故を起こした以上、誰も安全性を保証できないだろうし、またそういう専門家がいたとしても、国民はもはや信用しないだろうと思います。そもそも、技術という分野において、絶対に安全という事はあり得ないのです。

 毎年のようにどこかで飛行機は墜落し、船は沈没し、列車は転覆し、毎日世界中で数え切れない数の自動車事故が発生する、しかし人々がそれを許容して利用している理由は、事故の確率が低いというだけではなく、《被害が限定的》であるという事であろうと思います。

 しかし、原発は一度事故を起こすと、半径数十キロ、あるいは数百キロに及んで人が住めなくなり、更に地球規模で環境汚染をしてしまう可能性があります。しかも、その影響は数十年以上続き、半減期の長いものは数万年というのですから、とても比較になりません。

⑤ 原子炉を解体する安全で確実な技術が無い

 更に、放射性廃棄物の処理が問題なのです。原子炉はいずれ様々な構造物の寿命が来て、廃炉にしなくてはなりません。放射線を浴び続けている構造物の寿命は通常よりもかなり短くなると言われています。原子炉を用いた原子力空母、原子力潜水艦、あるいは核兵器も同様です。

 使用済み核燃料や原子炉の分解と廃棄、安全な保管に関する技術はまだ確立されていないのが現状です。半減期が数万年もある放射性物質を含んでいるのですから、宇宙空間か太陽に向けて放射するしかありませんが、それでも重量物は無理な話です。結局、地下深く埋設する事になるのでしょうが、巨大地震や大規模な地殻変動に耐えられるという保証はどこにもありません。

 それだけでなく、原子炉の解体そのものが非常に難しく、安全に解体する技術は全く無いと言えると思います。何しろ、原子炉の内部に人は入れないし、近づけないのですから、遠隔操作ができるロボットを使用するしかありません。しかし、人間のように作業能力の高いロボットはこの地球にはまだありません。今回の事故において使用されているロボットを見ればわかるように、まだあの程度のものなのです。

 余談ですが、筆者はこの様な現場で作業ができるためのロボットの研究をずっと続けており、本格的な研究費と人材を集める前に、実現可能であるという証明のための実証型ロボットを目指しています。おそらく、世界中の研究者も同じであろうと思います。

 今すぐには無理としても、人類の方向性として、原発だけでなく核兵器も無くしていかなくてはならないと思います。

5-4 企業の生命線

 以下、私の体験を元にお話しします。

① 巨大地震対策は経営者の使命

 来るべき巨大地震から企業を守り、従業員の生活を守るにはどうしたらいいか。それを真剣に考え、対策し、行動する、それは経営者の使命です。勿論、政府や自治体が真剣に取り組むのは当然ですが、企業はもっと別の角度から徹底した対策をしないと、企業体そのものが存続できません。

 私は約17年前にそのように考え、前記したようにまず地震についての調査を行い、どのような事態をイメージすれば良いのか、そのイメージ造りから始めました。イメージができると、自ずと対策すべき核心が見えてきます。

② 建物の耐震性

 当時、私が経営していた会社には30人ほどの従業員がいましたが、建物は二階建てのプレハブ造りでした。地震の事を考え出した瞬間、この建物は間違いなく倒壊するだろうと直感しました。

 技術開発で経営が成り立っている会社の建物が倒壊したら、すべての知的財産・図面や資料を復活させることは不可能になり、あるいは復活させるにしても膨大な時間と労力が必用になります。

 そこで、市街地を離れ、工業団地の一角にある、しっかりとした鉄骨造りの工場に引っ越しました。そこから、私の巨大地震対策が始まったのです。

③ 設備・備品の固定 
  
 建物の倒壊の恐れがなくなれば、次は設備や棚や備品類を固定することで、様々な資料を保全し、人的被害を最小にすることです。テレビ等で見た方もあると思いますが、大きな揺れがあると、一瞬で事務所も工場も廃墟になります。

 その第一の原因は、机や書庫、プリンター・パソコンなど様々な備品、工場内であれば部品棚、作業台、機械類、その他あらゆるものが全くと言って良いほど固定されていないからです。そこで、それらを固定する為のあらゆる種類の金具を設計・製作し、3年間をかけて、忙しい仕事の合間に取付工事をしました。

 その作業は多くの時間と労力を要するものでしたので、完成した後は大切な無形財産となっています。組立中の機械装置であっても、ボルトで床に固定して作業するようにしています。そうしないと、急激な揺れに際しては、作業員が機械に挟まれて重症、あるいは死亡することすらあり得るからです。

 当初は、本業が忙しいのに何故こんな作業をさせるのか、そのように社員は思っていたでしょう。しかし、同時に巨大地震についての説明会を何度も行い、情報や資料などもその都度回覧しているうちに、次第にその必要性を社員は深く認識し、積極的な行動をとるようになりました。

 ですから、正しい知識とイメージ造りは、全員が共有すべき事であるのです。社員の意識向上に対する努力も経営者の大切な仕事です。これは、各自治体・国も同様であり、国民と共有することで、真の対策ができるようになります。憲法が定めるように、国民の生命財産を守る事は、政府と自治体の長そして政治家の大きな役目であると思います。

 余談ですが、今回の東日本大地震で、ここ神奈川県も相当に揺れました。特に物が落ちたり被害はありませんでしたが、建物の一部にヒビが発生したのが唯一の痕跡と言えます。机だけでなく、その上のパソコンや備品までが固定してあり、壁掛けの時計も落下止めのワイヤーを取り付けてありますから、従業員の安心感はかなりのものであり、机にしがみつきながら揺れる様子を眺めていたようです。

④ 井戸/発電機/燃料

 巨大地震の後、御存知のようにライフライン、すなわち電気・ガス・水道が必然的に寸断されます。余談になりますが、そのメカニズムについて考えてみましょう。

◆ 破壊のメカニズム/重力加速度と共振

 地震波には縦波と横波があります。縦波は主として直下型地震の場合の主成分であり、上下振動、すなわちあらゆる物体が激しく上下します。この時、重力の加速度を超えると、どんな重量物であっても固定されていなければ、空中に浮かび、地面と激しくぶつかり合う現象が発生します。上下の振動幅は小さくても、その加速度が重力加速度を超えたとき、すさまじい破壊力が発生します。

 横波の場合、山の上から見ると、海の波のように、町並みや道路が波打つ様子が見えるそうです。この場合は、横に揺れると同時に、上下に激しく揺れます。横揺れの波動の中に、長周期の波動が含まれ、これが高層ビルの固有振動数と共鳴すると、やはりその振幅が小さくても、時間が経過するに従い、建物の揺れは次第に大きくなり、やがて一挙に破壊されます。

 「大地動乱」の記述に、幕末に発生した東海地震の体験談の記録が記載されていたと記憶していますが、地面が最大1mぐらい激しく上下したとありますから、避難したり歩いたりすることは不可能です。

 この様な状況の中で、具体的にどのような被害が発生するでしょうか。鉄塔は傾き、電信柱も傾いて、電線は寸断されます。水道管やガス管は至る所で破断されます。特に、人口密集地帯では、網の目のように空中と地下にライフラインが張り巡らされていますから、それが破壊されたとき、復旧するまで気の遠くなるような時間と労力が掛かるはずです。

◆ ライフライン復旧に要する時間

 私は、神奈川県で前回の関東大地震(震源地・相模湾)と同規模の地震が発生したとして、果たしてライフラインの復旧に掛かる時間を考えてみました。また、電気工事会社にも聞いてみましたが、誰も答えられません。そこで私が出した結論は、最低で1年、被害の大きさによっては何年もかかるだろう、でした。

 それを待っていたら、会社は消滅、従業員も失業します。少なくとも、そのリスクは非常に高い事が分かります。ですから、発電機と井戸、そして1ヶ月分ぐらいの燃料の備蓄は不可欠であるという結論に至りました。

 電気があれば、照明がつきパソコンが使えます。井戸はトイレの使用を可能にするために絶対に必用なのです。人が集まるためには、トイレは必須です。例えば、大きなビル、マンションでトイレが使えなくなったとき、近くに土がある空き地があればまだ何とかなりますが、都内のような所では、もうそれだけで人が集まることができなくなります。

◆ 井戸

 避難所、防災本部、各自治体が機能的に活動するためには、電気とトイレ用の水、これが絶対に不可欠なのです。企業も、ライフラインが長期に渡って寸断されることが分かれば、井戸を持つしかありません。幸いにして日本は、余程の山岳地帯でない限り、大抵の場所で井戸を掘れば水が出ます。

 雨水を貯める装置、水道水を貯める大きなタンクなども検討しましたが、井戸が最もスペースをとらず、連続して水をくみ出せる極めて効率的なものなのです。というわけで、私は15年前に会社に井戸を掘る決心をしました。

 井戸掘削業者から話をいろいろと聞くうちに、通常の構造は耐震性と腐食性において問題があることに気づき、結局、井戸の構造そのものを自ら設計し、重要な部品は独自に製作しました。そして、掘削と施工だけを業者に依頼しました。工業地帯では、アースをとる関係上、地電流がながれ、金属は非常に腐食しやすいと聞いたからです。

 100mの深井戸を掘り、3相200V1.5KWの水中ポンプを地下60mに設置(現在は40mに変更)、揚水管は腐食防止のため内外面ナイロンコーティング、耐震性を考えてフランジ接続、ボルトはM12のステンレス6本で接続、パッキンはテフロン、地表から20mの深さまでは井戸を二重にし、地表が波打っても井戸が破断しないで伸縮できるようにしたのです。井戸の制御盤も社内で製作しました。

 構造が分かっていますから、揚水ポンプが故障した時も、社員が分解して引き上げ、工事をしました。何故、零細企業がそこまでするのか、それは井戸が企業の存続のための生命線であると認識しているからなのです。ですから、井戸には多額の費用と私自身の労力を注ぎ込みました。

 連続で毎分約100リッターの揚水が可能であり、常時は社内4箇所のトイレ用水として使用しています。もし、自宅の水道が使えなくなったとき、ポリタンクさえあれば誰でも、自由に水を入れられるようにしてあります。

◆ 発電機

 照明やパソコン・エアコンだけでなく、井戸を動かすためには、電気が必須です。

 工事用の発電機を中古で100万円で買いました。三相交流200Vで200Aの電流が取り出せますので、私の工場の全照明とエアコンをつけ、更に機械を動かしてもまだまだ余裕があります。発電機の大きさは、1.5m×1.5m×2.5mぐらいの大きさがあり、直径20mmぐらいのボルト6本で太いレールに固定し、更にそれをコンクリートで埋めて固めてあります。盗難防止と、地震の揺れでボルトが外れ破壊されないように、機械屋の私が見てもこれなら安心、というぐらいにしてあります。

 井戸もそうですが、こういう機械類は時々作動させていないと、いざというときに動かなくなっている事に気がつきません。ですから、常時動かし、あるいは時々動かしてメインテナンスをしている事が大切です。ですから、二週間に一度、バッテリ充電をかねて発電機を動かしています。

 この作業を地道にかれこれ15年間続けています、何故なら、何度も言ってきましたが、巨大地震は必ず近いうちにここ神奈川にも発生し、我々自身がいつ何時被災者になるか分からないという、強い自覚があるからです。

◆ 燃料

 中型の発電機はディーゼルエンジン(トラックと同じ)で発電しますから、燃料として軽油を使用します。燃料の備蓄には、消防法で定められた一定の設備と条件を満足させる必用があります。専門の資格が無くて可能な備蓄量は1000リットル以下ですが、消防法によって保管方法が具体的に定められ、検査を受ける必用があるのです。

 私の場合も、これに該当しますが、節約して燃料を消費すれば、約1ヶ月間は発電機を動かせます。被災後かなり早期に燃料を補充できるようになると思いますので、ライフラインの復旧に何年かかろうと、企業としての経済活動を速やかに再開し継続できると思います。

⑤ 避難所としての会社・工場

 耐震性のある社屋、備品類と機械の固定、井戸と発電機、そして燃料の備蓄とここまでくれば、後は何を考えればよいでしょうか。

 社員が避難所として使えるようにするための様々な備品類を貯蔵することでしょう。寝泊まりするための暖房や毛布、防寒具、簡易シャワー設備、食料、医薬品、調理用具、調理用燃料、といったところでしょうか。

 細かく紹介すると、かなりの種類になりますので割愛しますが、どこに何を備蓄してあるかを示すリストを作成してあります。特に、食料は様々な物が大量にあり、業務用の大型冷蔵庫に保管しています。

 それとは別に、玄米を貯蔵するための専用の冷蔵庫が二つあり、それぞれを満杯にすると3000Kgぐらい入りますが、リーマンショック以来、社員が減ったため、現在は半分ぐらいしか貯蔵しておりません。

 精米機も設備してあり、月に一度の割合で、担当を決めて精米し、希望者に半額で販売しています。これは、玄米を更新するためと、精米技術を維持し、精米機をいつでも使用できるコンディションに保つためです。

 調理用の燃料も、考えておく必用があります。調理用のガスと言えば、都市ガスとプロパンガスですから、プロパンの小型ボンベを大量に備蓄してあり、調理用の炭も500Kg、それでも燃料が無くなった場合のために、付近の倒壊した材木や立木を処理するためのチェーンソウも置いてあります。

 前述したように、耐震性のある社屋、備品と機械の固定、井戸と発電機を設備することに比べたら、こういった備品類を購入するための費用と労力はわずかなものです。労力と費用を最も費やしたのは、固定金具の製作と備品・機械類の固定、そして耐震性の井戸でした。

 耐震性の社屋、井戸と発電機が無い場合、備品類と食料をどれだけ沢山貯蔵しても、企業活動はできないのですから、ほとんど意味が無いことが、これまでの説明で分かったと思います。企業にとって、井戸と発電機は非常時における生命線なのです。

 地震に関していえば、日本は至る所で被災する可能性があります。従って、全国の公共施設、公立学校、私立学校、自治体、企業、などは井戸と発電機を装備すべきであると私は思います。

⑥ 企業活動は社会的責任

 人口密集地帯におけるライフラインの復旧は、相当な長期に渡ると推定されます。住宅地や商業地が優先されるでしょうから、工業地帯は最後になると思います。

 従って何度も言いますが、耐震性のある社屋、備品と機械類の固定、井戸と発電機そして燃料の備蓄、これらは企業として存続するため必須条件であることは明白です。如何なる保険も非常時の支えにはなりません。ですから、企業自らこれらの対策をすべきだと考えます。

 企業活動を継続することは、従業員の雇用を守るというだけではなく、社会的責任でもあります。多くの企業体と自治体が、この様な対策をそれぞれの立場で実施したと仮定すると、被災した場合、その状況は一変するはずです。

 客先、仕入れ先が被災し機能不全になると、いわゆるサプライチェーンが至るところで切断され、経済活動が停止してしまいます。しかし、多くの企業が充分な対策をしてあったとしたら、どうでしょうか、その復興は何倍も早くなるのではないでしょうか。全企業がこういう対策をしていたなら、社員だけでなくどんなに多くの人々が助かるだろうか。

 また自治体や、公共施設にその備えがあれば、復興はものすごく早くなり、また平時でも人々の安心感は例えようもないものがあろうと思います。私は、どうしてそうしないのか、とても不思議に思います。景気対策として、道路や橋を造ることばかりを考え、この20年間にわたり膨大な累積赤字を積み上げたことを考えれば、その費用はわずかなものです。

⑦ 規模拡大をせず、資金の流動性を高め、かつ保全する 

 もし神奈川県が巨大地震に見舞われ、私の会社が企業活動を早期に開始できたとしても、サプライチェーンが寸断されれば、売上げはほぼゼロの状態が続くはずです。

 15年前の数年間、私はその事を考え続けました。そして得た結論は、企業の資金を流動資産として蓄え、売上げゼロが続いても決して倒産しない準備をする事でした。

 どういう事かと言いますと、企業は儲かって資金が貯まると、規模を拡大し、資金を固定化する、つまり土地や建物に変えていくのが一般的です。同時に人も増えますから、財務内容は良くても、手元資金は多くはありません。平時なら、それで充分なのですが、広域で巨大な災害が予想されるなら、それで良しとする方がおかしいのです。

 非常事態が予想されるなら、規模を拡大せず、資金の流動性を高め、これを保全する。そして、売上げゼロが続いても倒産しない事を考える。私は15年間、これを実践してきました。売上げが好調で、場所が狭くなり、納期遅れから客先に怒られ、私も相当悩んだ時期がありました。

 《保全する》という意味は、定期預金や普通預金で蓄えないという意味です。日本をはじめ先進国その他多数の国家の財政は破綻状態に至りつつあり、金融システムそのものが暴走・やがて破局を迎えるという、すなわち資本主義崩壊が進行しています。こういう数百年に一度という経済の大変動においては、貨幣価値が激変する可能性が極めて高いのです。それは必然的なものだからです。

以下を参照してください。
  
● 資本主義崩壊と理念経済
   
● 資本主義崩壊のシナリオ
   
● 資本主義崩壊と窪田光治のサバイバル

● 金の価格が高騰

 読者には、このグラフを見て、一体何が世界経済において進行しているのか、この事に関心を持って頂きたいと私は思います。《保全する》という意味は、正にここにあります。金利の上昇、大幅な増税、ハイパーインフレだけでなく、場合によっては預金封鎖や徳政令というような事が、今後起きる可能性が高いことをお伝えしておきます。

⑧ 次の飛躍のために研究開発を続ける事

 では、生き延びるだけで良いのか、次にこの問題を考えてみましょう。生き延びる方策をしたなら、次に考えることは一つです。経済活動が復活するに合わせて飛躍するための準備をする、そういう決意であろうと思います。

 そのために、何をするか、ですね。売上げがゼロでも従業員に給料を払うとして、人材を遊ばせておく経営者はいないでしょう。ではどうするか。研究開発や市場の開拓、新しいビジネスモデルの開拓、こういう事を考えるはずです。

 売上げがゼロで、すなわち本来の仕事が暇になるのですから、開発に力を注げる千載一遇のチャンスと考えるべきなのです。幾つかの巨大地震に今後も日本列島は見舞われるでしょう。また、資本主義の崩壊は多くの方に経済的試練を与えるでしょう。しかし、人間は生きていかなくてはならないし、企業も然りです。

 であるならば、消極的な生き方ではなく、自ら目的に向かって河の流れを遡るシャケのような生き方を選ぶべきであろうと思います。ピンチをチャンスに変えていく、転んでもただでは起きない、そういう常勝思考を展開していくために、機械や備品の固定、井戸と発電機、燃料、そして流動資金の蓄えと保全、これらが必須である、という事がおわかりいただけたのではないかと思います。

終わりに                    

 大地動乱の時代は日本だけの問題ではありません。おそらく、世界各地で次第にその様相が明らかになってくると思います。資本主義崩壊も現在進行中であり、ごく近い将来、おそらく一年ぐらいの間に、大きな破綻の連鎖が始まると私は予想しています。(2011.08.17現在)

 地球温暖化は、静かに、そして確実に進行しています。食糧危機がやがて現実となり、それは戦乱を大いに助長するでしょう。さらに、温暖化が爆発的に進行する《悪魔のサイクル》が始まる直前にあると言われています。下記を参照してください。

● 地球の温暖化と寒冷化/人類滅亡からの脱出シナリオ

 また、エイズをはじめエボラ熱が以前から問題になっていましたが、近年では鳥インフルエンザのパンデミックが世界の関心を集めつつあります。また、新たな流行病が生まれてくる可能性もあるのです。

 大地動乱という巨大な天変地異、地球温暖化から来る食糧危機と戦乱、そして様々な感染症のパンデミック、これらによって現在の人類は大いなる試練を受けることが、『ヨハネの黙示録』に明確に予言されています。

● 拙書「七つの封印」を参照してください。

 大地動乱やその他の様々な試練を、正しく受けとめ、それを乗り越えて生きる勇気と希望を読者には持っていただきたいと思います。そのためには、まず試練の内容を《直視する勇気》を持つことから始めなくてはなりません。



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