ヨハネの黙示録・全ての謎が分かる

The Seven Seals

◆◆◆ 4.「七つの封印」まえがき ◆◆◆
2004.07.31  窪田光治

 『ヨハネの黙示録』(神の啓示の書)が新約聖書に編纂されてから、すでに約二千年の歳月を経ているが、この「神の啓示の書」がきわめて難解であるためと、「ノストラダムスの預言」に隠れていたために、それほど注目されることがなく、永いあいだ人類はその内容を真に理解できないまま今日に至っている。そして、この黙示録を読む人の多くは一つの空想物語のような思いで接してきたと思われるが、まさに今、神の計画における「その時」を迎えようとしている今世紀末において、本書がその厚いベールを取り払い、全貌を鮮やかに浮き上がらせることになるであろう。『ヨハネの黙示録』は神が二千年前に準備された現代の人類に対する厳しい警告の書であり、人類存亡の危機についての預言の書である。と同時に、迷妄の闇の中で羅針盤を失った人びとに対して「神の実在を証明」し、人類に明るい未来を約束する「神の慈悲の光」のあらわれの書でもある。

 この黙示録においては、ありとあらゆる災害、飢饉、大地震、流行病、数多くの戦争、大陸の一部の海没、地軸の移動、共産主義の復活と独裁者の出現、アメリカ型資本主義の崩壊、世界の大都市とニュ-ヨークの壊滅‥‥などが、繰り返し数十年にわたって続くことが預言されており、まさに今は、そのクライマックスの直前にある。黙示録の内容と西暦一九九七年現在の世界の情勢を考え合わせると、クライマックスは数年から十年以内にやってくるはずである。そして人類の一人ひとりが、神に目覚め人間の本質に目覚めるまで、これでもか、これでもまだ目が覚めないのかというように、これらの災害や戦乱が続くことになるはずである。


 人間の本質は霊であり永遠の命を持つものであるから、神から見て肉体的死すなわち「第一の死」というのは、永い輪廻転生(りんねてんしょう)の歴史の中の一ページにしかすぎない。地上の人間的な一時の感傷よりも人類の正しい進化の方向付けのために、神は大いなる決断を下された。神は、現代文明の根底にある誤った思想(唯物思想)そのものを亡ぼされ、その上で地上に再び「精神性を基調とする新しい文明」を築かんとされているのである。

 旧約聖書において救世主の誕生が預言されていたとされるが、この黙示録においてもイエスキリストに続く「次の救世主」の誕生が明確に預言されている。それは、暗黒の世となった時、大きな光となって現れて来られるはずであり、その方の存在に気付く人は幸いといえよう。イエスが地上にありし時に、その人ありと気付いた人は当時のほんの一握りの人びとであった。イエスの評価が、昇天後、数百年を経て定まってきたという歴史的な教訓がある。救世主の説く新しい価値観と思想が、必ずしも救世主ありし時に多くの人びとに受け入れられるものとは限らない。「本物」とは、時間がたつにつれて次第にその輝きを増してくるものだからである。


 黙示録全体は二十二の章区分から成っている。原文に近い英語訳ならびに日本語訳の本文には章題や大きな章立てが付いておらず、また文中の言葉と表現方法が非常に変わっているために、一見すると大変分かりにくい。言葉の示す深い意味や、ビジョンが暗示するものについての理解、さらに神の深い慈悲の心に思いが至らないために、この黙示録を現実感を持って読み通すことができないまま現在に至ったのであろう。


『ヨハネの黙示録』が真に神の啓示の書であるならば、全体が調和のとれたものであり、また現代人の持つ科学と現実的な思考に照らしても、十分に整合性のあるものでなくてはならない。この預言書は、「神によって」実に巧妙にカモフラージュされたモザイク画であり、多くの言葉の多面体モザイクを適切に裏返していくうちに、そこに調和のとれた壮大なパノラマが鮮やかに出現するのである。本書の解説が正しいかどうかの証明はおそらく誰にもできないであろう。しかし、出現したパノラマがそれを証明してくれるはずである。

 第1部はテーマを絞って解説し、第2部は全編を通して注釈と解説を付した。「霊的視点からの分析」と解釈によって、「その時、その日、その月、その年」[9-15]のために、この黙示録は準備されていたのだということが明らかとなるはずである。
なお、未来のことを推測して言うことを意味する「予言」と、神の言葉を預かり地上の人間に教え知らせるという意味に使われる「預言」という二つの言葉があるが、本書では「預言」という言葉に統一して使用している。


 なお、黙示録の引用文は日本聖書教会発行の「新約聖書」一九七五年版を採用させていただいた。



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