◆◆◆ 「流奈カレンダー2000」の詩を文章に変換 ◆◆◆ |
1.はじめに
日木流奈氏は、先天性の重度の脳障害児として生まれました。母の体内にあるときから意識が有り、生まれる直前の事ですが、言葉は分からないが看護婦が大騒ぎしており、その意味は理解できたと、六歳の時の書「はじめてのことば」に書かれています。
この奇跡の人が書いた書籍、エッセイ、特に詩には、とても少年とは思えない深い智慧と暗示が込められております。そして、心(魂)の大切さ、洞察することの大切さをいろいろな箇所でくり返し語っています。
一年間、このカレンダーを私の寝室にかけておき、毎日その月の詩を読んでから出勤しておりました。なにかが心の残像として残る詩であり、いつも気にかけていましたが、一年が経ち、この詩を断片的に読むのではなく通して読んでみたくなり、活字に打ち直し整理すると、その意味が次第にわかりかけてきました。
私の直感から若干の解説を試みますので、読者も独自の立場から、詩の意味を噛みしめていただけたら幸いです。
2.詩の紹介
これは、奇跡の少年の詩というよりは、この少年を地の世界へ送った偉大なる神霊の言葉、あるいは偉大なる潜在意識の詩として読もうと私は思います。ただし、この様な解説は、作者に対して大変失礼なことかも知れませんが、きっとお許しいただけると思います。短い解説の言葉と、詩の言葉を組み合わせて読み、後は読む方の想像力と感性で、詩の本心を理解され事を願っています。
流奈カレンダーの詩 |
文章に変換 |
睦月 寒深くなりて |
(熱き念いを駆けめぐらせた夏、そして豊かな実りの季節も過ぎ去り、)寒さが次第に身に染みる冬の季節、今はただ私の休息の時であり、沈黙の時を静かに送っている。 |
如月 生まれたるヴィーナス |
生まれて間もないその子は、まだ幼い。それ故、両親の愛を一身に受けて、地の人々に知られず、ただひたすら待っているのだ。 |
弥生 温かき想いが目覚めだし |
その子の温かき念いが目覚めだした。そして、その念いという花を一つ一つ思いだして、ついに自分の使命の全てを知ったのだ。 |
卯月 |
彼は、本来迎えるべき友(魂)を待っていたが、友は戻らないことが分かり、とうとう夜の海(地の世界)へ飛び込んだのである。 |
皐月 |
幼子は地の底から来る者達から身を守るため、脳障害という肉体的ハンディを鎧として身にまとっているのだ。 |
水無月 |
地の人々が智慧の実(神理)を沢山食べていたその頃、この子は私に希望を残して、地の世界へと旅立ったのだ。 |
文月 |
その子(我が子)は、天の父(私)より来たる文(ふみ)を読んで、どのような返事を書こうかと、天の父への愛をどのように表現しようかと、独りゆったり想う日々を今は送っている。 |
葉月 |
美しい蓮の花(天の界)の下には、泥の世界(地の界)がある。しかし、泥の世界にありても、世のため人のために役立つ心根・魂の持ち主であれば、それは美しいもの(天使の心)に決して負けるものではない。 |
長月 湖面に映りし我が魂(たま)を |
私が熱き想いで進みし時(地上に霊示を送り続けた時)は既に過去のことである。 |
神無月 |
その私の心を知ってか知らずか地の人々は、神理という甘き果実をたっぷりと食べた実りの秋を夢のごとく思いだしては、色の変わりし落ち葉(色あせた神理の言葉)を集めて、神の方角を見失った失意の心で、あれやこれやと思いだしては、迷いの日々を送っている。 |
霜月 我が見つめたる世界 |
我が見つめたる世界、我が見続けたる人類の未来、それが現実となる夢、しかし、それは私にとっては既にすぐそこにあるものなのだ。 |
師走 |
幼子の生誕は、地上を縁として、それを観(かん)じることのできる仲間と輪を作るためであり、そしてこの地上に希望を与えるためである。 |
3.終わりに
この詩の解読は7年前に一度試みており、当時ほぼ7割方は理解していました。しかし、HPで公開するにあたり、改めてきちんと整理してみると、それが更に鮮明になって浮き上がり、正直なところ私自身が大変驚くと共に感動を禁じ得ません。
御自由にリンクを貼っていただいて結構です。
http://www.the-seven-seals.jp/
The free background
photographs are acquired from
http://www.h3.dion.ne.jp/~xosada/index.html