ヨハネの黙示録・全ての謎が分かる

The Seven Seals

◆◆◆ 「流奈カレンダー2000」の詩を文章に変換 ◆◆◆
2007.11.05 窪田光治

想ふ月事務局出版/日木流奈詩/山本さとみ絵

1.はじめに

 日木流奈氏は、先天性の重度の脳障害児として生まれました。母の体内にあるときから意識が有り、生まれる直前の事ですが、言葉は分からないが看護婦が大騒ぎしており、その意味は理解できたと、六歳の時の書「はじめてのことば」に書かれています。

 この奇跡の人が書いた書籍、エッセイ、特に詩には、とても少年とは思えない深い智慧と暗示が込められております。そして、心(魂)の大切さ、洞察することの大切さをいろいろな箇所でくり返し語っています。

 一年間、このカレンダーを私の寝室にかけておき、毎日その月の詩を読んでから出勤しておりました。なにかが心の残像として残る詩であり、いつも気にかけていましたが、一年が経ち、この詩を断片的に読むのではなく通して読んでみたくなり、活字に打ち直し整理すると、その意味が次第にわかりかけてきました。
 私の直感から若干の解説を試みますので、読者も独自の立場から、詩の意味を噛みしめていただけたら幸いです。

2.詩の紹介

 これは、奇跡の少年の詩というよりは、この少年を地の世界へ送った偉大なる神霊の言葉、あるいは偉大なる潜在意識の詩として読もうと私は思います。ただし、この様な解説は、作者に対して大変失礼なことかも知れませんが、きっとお許しいただけると思います。短い解説の言葉と、詩の言葉を組み合わせて読み、後は読む方の想像力と感性で、詩の本心を理解され事を願っています。

流奈カレンダーの詩

文章に変換

睦月

寒深くなりて 
沈み行く静かなる想い 
ただ休みなれば 
降り行く雪にも染みわたらん
染み渡りし想い
結晶となりて人々の胸に宿る
宿りし結晶
染み出づる日をただ待ち続けるなり

 (熱き念いを駆けめぐらせた夏、そして豊かな実りの季節も過ぎ去り、)寒さが次第に身に染みる冬の季節、今はただ私の休息の時であり、沈黙の時を静かに送っている。

 だが、今、ここに深々と降り行く雪に染(そ)みわたるように、私の念いは既に地上に染み渡り、地に住む多くの人々の心に智慧の結晶となって宿っているのだ。

 その智慧の結晶はいつの日か、再び溶け出し、人々の口から口へと述べ伝えられる日が来るであろう。

 その日が来るのを、私は待ち続けているのである

如月
  

生まれたるヴィーナス
まだ幼子なれば
貝の中にてとどまりぬ
未だ人々の目に留まらず
ただひたすらに待ち続けんとする
遠き国より現れるもの
地より来るか海より来るか
未だわからず

 生まれて間もないその子は、まだ幼い。それ故、両親の愛を一身に受けて、地の人々に知られず、ただひたすら待っているのだ。

 自分の使命が何であるか、遠き国より誰かが現れ知らせてくれるのか、 それは地より来るか海より来るか(天より来るか)、彼は未だわからずに。

弥生
  

温かき想いが目覚めだし
開く花おば摘みながら
束となりて届けたり
ああ開きし花の国の門何処(いずこ)

 その子の温かき念いが目覚めだした。そして、その念いという花を一つ一つ思いだして、ついに自分の使命の全てを知ったのだ。

 そして、彼のその念いは風に乗って、私の住む天にある花の国に、束となって届いたのである。

 ただ、開きし花の国の門(天上界)は何処(いずこ)にあるか、彼はまだ知らないのだ。

卯月
  
迎えるものを待たずして
夜の海に飛び込まん
広き世界で見渡せば
優しき友がすぐそこに
道を伝えて行かんとす
優しき月の灯火 体に浴びて
世界へ向かう勇気の旅出(たびで

 彼は、本来迎えるべき友(魂)を待っていたが、友は戻らないことが分かり、とうとう夜の海(地の世界)へ飛び込んだのである。

 人々は、この広き地上世界を見渡したとき、もう誰(神の使者)もいなくなってしまったたと悲しみに暮れていたが、しかし優しき友(幼子)がすぐ側にいることに一部の人は気がついたようである。

 彼は道(地の人々の生き方)を伝えようとしてするであろう。優しき月(ルナ)の光(教え)を地上の人々は体に浴びて、再び空すなわち輪廻の世界へ勇気の旅出をすることだろう。

(空の世界とは生命を実相として見た世界、すなわち生死を超えた世界、それは時空を超えて魂が輪廻転生しながら、神に向かって進化を続ける有様を言う)

皐月
 
今まだ我が身を守るため
棘(とげ)の鎧を外せぬが
その美しき心根に触れたき人は多くあり
それまで共に育たんと我が心の気を持ちて
願ひと共に受け渡す

 幼子は地の底から来る者達から身を守るため、脳障害という肉体的ハンディを鎧として身にまとっているのだ。

 今はまだ彼はその鎧を外せぬが、 幼子の美しき心根に触れたき地の人は多い。

 彼が鎧を外すその時まで、地の人は共に魂を育みたいと、自分の気持ちしっかりと持ち、その願いを幼子に伝えるであろう

水無月 

智慧の実食べたその時に
希望を残し旅立ちて
細胞目覚めるその時を
ただひたすらに待たんとす

 地の人々が智慧の実(神理)を沢山食べていたその頃、この子は私に希望を残して、地の世界へと旅立ったのだ。

 そして今、脳細胞が目覚める奇跡の時を、ただひたすら待とうとしているのである。

文月

天より来たる文(ふみ)読みて
百合(ゆり)の香乗せて返えさんと
独りゆったり想う日々

 その子(我が子)は、天の父(私)より来たる文(ふみ)を読んで、どのような返事を書こうかと、天の父への愛をどのように表現しようかと、独りゆったり想う日々を今は送っている。

葉月
  
美しきものの下にて
泥の世界あり
泥の世界にありて
役立つ実あれば
それは美しきものに負けぬものなり
表と裏 ひとつとなりし時
光と闇 一体となりし時
その輝きはとどまることを知らぬ
ひとつの”わ”の始まりとなりぬ

 美しい蓮の花(天の界)の下には、泥の世界(地の界)がある。しかし、泥の世界にありても、世のため人のために役立つ心根・魂の持ち主であれば、それは美しいもの(天使の心)に決して負けるものではない。

 このように、表と裏の世界、光と闇の世界、この相反するように見える世界を、一つの統一された神の世界(空・実相の世界)として観(かん)じることができる時、とどまることを知らぬほど貴方の魂の輝きは増すであろう。
 
 それは、天上の人と地の人、人と人の輪の始まりであり、この地上を契機として、神と人間とが互いに連携しながら、ユートピアを建設しようとする念いの輪ができあがるのだ。

(観じるとは、心の目で積極的に見る、という意味です)

長月
  

湖面に映りし我が魂(たま)を
月の光で照らし出す
熱き想いで進みし時も
今は過去の事なれば
じっくり我が身を見つめたり

 私が熱き想いで進みし時(地上に霊示を送り続けた時)は既に過去のことである。

 私は今、鏡のような湖面に我が魂を映し、静かに月の光で照らし出しては、じっくりと我が身を見つめ直しているのだ。

神無月 

実りの秋にほおばりし
甘き果実の夢食(は)んで
色の変わりし葉を集め
神の残せし夢紡ぐ

 その私の心を知ってか知らずか地の人々は、神理という甘き果実をたっぷりと食べた実りの秋を夢のごとく思いだしては、色の変わりし落ち葉(色あせた神理の言葉)を集めて、神の方角を見失った失意の心で、あれやこれやと思いだしては、迷いの日々を送っている。

霜月
  

我が見つめたる世界
我が見続けたる未来
現実となる夢
そこにあるものなり
空(くう)の世界広がりて
ただ温かきもの胸に流れるなり
共にはぐくむ友を思わん

 我が見つめたる世界、我が見続けたる人類の未来、それが現実となる夢、しかし、それは私にとっては既にすぐそこにあるものなのだ。

 私の眼前には、あまたの光の粒(魂)が渦を巻く世界、空(くう)の世界が広がっており、私がそれを見つめるとき、ただ温かき念い(人類の進化)が私の胸に流れるのみである。何故なら、人間の全ての魂は我が子達であるからだ。

 地上に送った幼子、すなわち共にはぐくむ友(我が魂の一部、分身)を思わん。

師走
  
ひとつの生誕
”わ”の仲間のつながり
希望と共に生まれん
すべてはひとつなれば
ここに上下(うえした)は無し
吹き鳴らす祝いの楽(がく)
人々 深い眠りから目覚め出す
夜も昼も
寒も暖も
花も星も
すべてが同時に存在する日
すべてが出会いの始まりとなるなり

 幼子の生誕は、地上を縁として、それを観(かん)じることのできる仲間と輪を作るためであり、そしてこの地上に希望を与えるためである。

 全ての魂は神より分かれたものであるから、奥なる意識の下では全てが一つなのだ。であるから、私の分身である幼子と地の人々に上下の関係は無いのである。

 彼の脳細胞がやがて目覚めるとき、天上界から吹き鳴らす祝いの楽(がく)とともに、地の人々も深い眠り(迷い)から目覚め出すであろう。

 夜も昼も、寒も暖も、花も星も、すべてが同時に存在する日、すなわち空の世界を観じることができるならば、地の世界におけるすべての事が、一つの出会いの始まりとなり、過去・現在・未来という時空を超えて輪が出来上がっていくのである。

 (全ての魂の輪がつながるとき、それは我が子達が成長した証しであり、我が念いが実現するときである。)

3.終わりに

 この詩の解読は7年前に一度試みており、当時ほぼ7割方は理解していました。しかし、HPで公開するにあたり、改めてきちんと整理してみると、それが更に鮮明になって浮き上がり、正直なところ私自身が大変驚くと共に感動を禁じ得ません。



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The free background
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