ヨハネの黙示録・全ての謎が分かる

The Seven Seals

◆◆◆ 第1部 ヨハネの黙示録【テーマ別 解説】◆◆◆
第一章 ヨハネの黙示録とは何か

「水晶に似たガラスの海」のようなスクリーン

 人類の未来に関する預言が現実にあり得るということを、「池の波紋」の例を挙げて、エネルギーの展開をシミュレートするという原理を用いて見てきた。次に、そのエネルギーの展開を再現するための「舞台・スクリーン」について説明しなければならない。このスクリーンについては、黙示録の全文中、わずか二ヵ所しか出てこないのであるが、前後の文章を注意深くしかもイメージをふくらませて読むと、それは鮮やかな具体性を持ったものとして浮かび上がってくる。[4-6]と[15-2]に

[4--6] 御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。・・・

[15-2] またわたしは、火のまじったガラスの海のようなものを見た。そして、このガラスの海のそばに、獣とその像とその名の数字とに打ち勝った人々が、神の竪琴を手にして立っているのを見た。

とある。これは、ヨハネが神に導かれて幽体離脱をして天上界に昇り、神の御座の前にある巨大なスクリーンを見たことを示している。(4-1)から(4-11)に神の御座と二十四人の長老、そして神の属性の象徴としての「四つの生き物」の情景が記されているが、一段高い位置に神の御座があり、二十四人の長老と多くの天使たちが「水晶に似たガラスの海のようなもの」を取り囲んでいるというイメージが画ける。

 現在、レーザー光線を応用して空間に立体虚像を映し出すホログラムという技術がすでに開発されているが、黙示録における「舞台・スクリーン」は地上世界を立体的に映し出すものである。宇宙から地球上を見た時、雲が渦巻き、地球全体は青く光り輝いている。「ガラスの海」とは、このような光景を表現したものであり、それは明るく輝く水面のようでもあり、それを多くの天使たちが見守っている様子がうかがわれる。そして「火のまじった」とあるのは、地上世界が戦火に焼かれている様子を暗示するものである。

 天上界と地上世界とは別々に存在しているのではなく、非常に深い関係にあり、地上世界はあたかも演劇場の舞台のようなものである。シナリオライター、演出家、照明係、様々な裏方、そして観客の見守る中で演劇が進行していく。もちろん劇場のオーナーもいることになる。この舞台が「水晶に似たガラスの海」のようなものであり、ある時は現実の地上世界を映し出し、ある時はフィルムやテープを巻き上げたり巻き戻したりするごとく、過去も未来も映し出すことができるのであろう。このような高い視点と壮大なスケールをもって考える時、地上の科学技術や芸術などが天上世界よりも進んでいると考えるのはとんでもない思い上がりであり、天上世界の方があらゆる面において高度に進歩しているはずだという結論に達するであろう。

 神が歴史上、何度か地上の人間にかいま見せてきた姿は、地上の人間の理解を超えない一つの方便の姿であって、現代人はすでに、古代の人びとが想い画いた神のイメージを捨てるべき時である。この舞台装置も、ヨハネが理解可能な姿として描写されたものであることを忘れてはならない。今から二千年先の未来の人類に遺す書に記すためであれば、現代人の「ヨハネ」は、SF物語に登場する宇宙船内のコントロール室、あるいはモニターパネルやコンピュータに取り囲まれているような情景を見せられるはずである。



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