ヨハネの黙示録・全ての謎が分かる

The Seven Seals

◆◆◆ 第1部 ヨハネの黙示録【テーマ別 解説】◆◆◆
第二章 七つの封印はすでに解かれた

異常気象と食糧危機

 近年とみに、世界各地で異常気象が報告されるようになり、大洪水、大かんばつ、大寒波などが相ついで発生するようになった。日本でも数年前、冷夏のために国産米だけでは国民の食卓をまかないきれなくなり、緊急輸入したことが思いだされる。われわれ人間にとって最も恐るべきことは、大地震にも増して異常気象であるといえる。大隕石の落下によって気象が大きく変化したためエサが欠乏し、中生代に地上に全盛を誇っていた恐竜が絶滅に至ったという説は、まことに説得力がある。

 一九九六年現在、世界の穀物在庫の急激な減少によって国際市場価格が高騰し、市場関係者はかなりの危機感を持っている。これまで平衡を保ってきた天秤のバーが少しずつ傾斜しはじめ、やがて急速にバランスがくずれていくように、気象も微妙なバランスの上に成り立っているので、わずかな気温の上昇が、あるとき突如として大きな災害を引き起こす可能性が高いのである。近頃とくに懸念されている地球の温暖化は、単に気温が数度上昇するというような単純なものではなく、ごく近い将来、突然そのような日がやってくるかもしれないのである。「七つの封印のある巻物」の封印を取り除いた時、予告編の場面が映し出されてゆくが、その中にも重要な情報が隠されていることに気付く。

[6-5]『また、第三の封印を解いた時、‥‥‥‥そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。』

[6-6]『‥‥小麦一ますは一デナリ、大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな。』

 はかりは、経済的取引の規準となるものである。この場合は、穀物が高騰することを暗示していると思われる。第七の場面(第七の御使がラッパを吹いた時)の中に、

[14-14,15,16] 『また見ていると、見よ、白い雲があって、その雲の上に人の子のような者が座しており、頭には金の冠をいただき、手には鋭いかまを持っていた。すると、もうひとりの 御使が聖所から出てきて、‥‥大声で叫んだ、「かまを入れて刈り取りなさい。地の穀物は全く実り、刈り取るべき時がきた」。雲の上に座している者は、そのかまを地に投げ入れた。すると、地のものが刈り取られた。』

[14-19,20] 『そこで、御使はそのかまを地に投げ入れて、地のぶどうを刈り集め、神の激しい怒りの大きな酒ぶねに投げ込んだ。そして、その酒ぶねが都の外で踏まれた。すると、血が酒ぶねから流れ出て、‥‥』

とある。第七の場面であるので、クライマックスに近いものである。地上に穀物や果物が実った収穫期に、大風水害などで全滅することを示しており、人間には収穫をさせまいとする神の激しい怒りと決意が示されている。

 現在、世界の大穀倉地帯であるアメリカ合衆国において、大洪水、大かんばつ、大寒波が相次いでいる。中国や北朝鮮においても大洪水の被害が毎年のように報告されている。農地はいったん荒れてしまうと、もとの収穫ができるようになるまでに大変な時間と労力がかかり、またその「種」にも不足をきたすようになる。ゲルマン民族の大移動によってローマ帝国が亡んだのであるが、大移動の真の原因は異常気象による食料危機であったとする説がある。

 全世界の国を対象とした食料に関する協調システムの確立が急務であり、もしできない場合は、大移動にみるように、食料危機は大きな国際紛争に発展し、戦争の原因となる。これは遠い未来のことではなく、突然このような日がやってきても、不思議のない状況が生まれつつあるのである。



御自由にリンクを貼っていただいて結構です
LinkIcon
http://www.the-seven-seals.jp/

The free background
photographs are acquired from
http://www.h3.dion.ne.jp/~xosada/index.html