ヨハネの黙示録・全ての謎が分かる

The Seven Seals

◆◆◆ 第2部 ヨハネの黙示録【テーマ別 解説】◆◆◆
【1】 御霊(みたま)が言うこと

第2章 伝道者に対する警告と勝利を得る者 [その1]

[2-1] エペソにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。「右の手に七つの星を持つ者、七つの金の燭台の間を歩く者が、次のように言われる。

[2-2] わたしは、あなたのわざと労苦と忍耐とを知っている。また、あなたが、悪い者たちをゆるしておくことができず、使徒と自称してはいるが、その実、使徒でない者たちをためしてみて、にせ者であると見抜いたことも、知っている。

[2-3] あなたは忍耐をし続け、わたしの名のために忍びとおして、弱り果てることがなかった。

[2-4] しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。

★ 七つの星を持つ者--「人の子のような」大指導霊。[1-13]~[1-16]に紹介された方。
★ あなた--エペソの教会の御使で、伝道者。
★ わざ--キリスト教伝道における働き。
★ 初めの愛から離れて--イエスキリストの愛(無条件の愛)の意味を忘れてしまったこと。

 「わたし」とは「人の子のような」大指導霊のことであるが、その名を呼んだのは地上の人間であり、「神・父なる神・主なる全能の神(エホバ)またはイエスキリスト」の名を呼んだはずである。実はこの「人の子のような」大指導霊は全能の神(エホバ)であるらしい(前編第七章 大指導霊「人の子のような者」参照)。

[2-5] そこで、あなたはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初めのわざを行いなさい。もし、そうしないで悔い改めなければ、わたしはあなたのところにきて、あなたの燭台をその場所から取りのけよう。

[2-6] しかし、こういうことはある、あなたはニコライ宗の人々のわざを憎んでおり、わたしもそれを憎んでいる。

[2-7] 耳のある者は、御霊(みたま)が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べることをゆるそう」。

★ どこから落ちたか--「イエスキリストの愛の教え」の、どこをどう間違えてしまったか。
★ 初めのわざ--正しい愛の教え。無条件の愛。
★ 燭台--イエスの教えを受け継ぎ、それを伝道する者の資格の象徴。法灯を受け継ぐ者。
★ 取りのける--資格を失い破門する。
★ 耳のある者--心の目で見るという言葉があるように、心の耳で聞くこと。智慧のある者。
★ 勝利を得る者--悟りたる者・仏陀・救世主のこと。前編第七章「救世主」参照。
★ いのち--霊的な命。
★ いのちの木の実--霊的いのちの成長、魂の成長のもとになるもの。神の叡智・神の教え。前編第六章「生命の本質」参照。

【意訳】

[2-7] 智慧のある者は、これから御霊(大指導霊)が全世界の教会に言う言葉をよく聞き、その意味するところをしっかりと理解せよ。(地上に派遣した神の代理人である)救世主が悟りを開く時、その者(救世主)に神の叡智をさずけるであろう。

 この言葉は諸教会あてのものであるが、同時に後世の人類全体に向けた言葉であり、前後の言葉の裏に大切な教えが隠されているのだということを念を押して教えているのである。第2章、第3章だけで七回も繰り返されており、この二章ではキリスト教伝道者に対する警告と、救世主を地上へ派遣するにあたって救世主とはどういう方であるかという、二点を繰り返し語っている。「いのちの木」のほかに、「いのちの冠・書・水・実・葉」という言葉がある。それぞれ生命の本質を暗示する言葉である

[2-8] スミルナにある教会の御使に、こう書きおくりなさい。「初めであり、終りである者、死んだことはあるが生き返った者が、次のように言われる。

[2-9] わたしは、あなたの苦難や、貧しさを知っている(しかし実際は、あなたは富んでいるのだ)。また、ユダヤ人と自称してはいるが、その実ユダヤ人でなくてサタンの会堂に属する者たちにそしられていることも、わたしは知っている。

[2-10] あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者をためすために、獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば、いのちの冠を与えよう。

★ 苦難や貧しさ--肉体的・物理的・金銭的な苦難と貧しさ。
★ 実際は富んでいるのだ--精神的豊かさ・心の豊かさ・神に対する「正しい」信仰を持つこと。
★ サタンの会堂--悪魔サタンの影響と指導を受けている者。【本人は決してそのように思ってはおらず、気付いてもいない。】
★ 獄に入れようとしている--悪魔が直接手を下すのではなく、悪魔に心を支配された人間が、そのような意図を持って行動すること。
★ いのちの冠--肉体の苦しみに惑わされず、「心の王国」を守り通した者に与えられる勲章のようなもの(前編第六章「生命の本質」参照)。

【意訳】

[2-10] あなたの受けようとしている苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が(迫害者である人間をそそのかし)、あなたがた(伝道仲間)のうちのある者を(その信仰が本物かどうか)ためすために、獄に入れ(拷問にかけ)ようとしている。あなたがたは十日のあいだ、苦難にあうであろう。(しかし肉体的な)死に至るまで(神の教えに)忠実であれ、(そうすれば仮の姿である肉体を守ろうとして信仰を捨てるよりも、真実の命である心と神に対する信仰を守り通したことに対し、これをほめたたえ)、(そのあかしとして)いのちの冠を与えよう。』

[2-11] 耳のある者は、御霊(みたま)が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者は、第二の死によって滅ぼされることはない」。

[2-12] ペルガモにある教会の御使(みつかい)に、こう書きおくりなさい。「鋭いもろ刃のつるぎを持っているかたが、次のように言われる。

★ 第二の死--「第一の死」は肉体的な死。「第二の死」とは、「第一の死」の後、四次元幽界(黄泉)において裁きを受けて地獄に落ちること。または、裁きを受けることすら許されず、真っ逆さまに地獄に落ちること。
★ 鋭いもろ刃のつるぎ--「人の子のような者」と同一人物。[1-13~16]参照。

【意訳】

[2-11] 智慧のある者は、これから、御霊(大指導霊)が全世界の教会に言う言葉をよく聞き、その意味するところをしっかりと理解せよ。悟りを開いた者は、心の自由を失うことはなく、地獄に落ちて霊的な死(魂の輝きのない状態)に至ることもない。

 霊的な「いのち」があってもなぜ「死」というかについては、前編第六章 生命の本質「第二の復活」で詳しく述べたので参照されたい。

 「勝利を得る者」という言葉は、広い意味では「悟りたる者」をいうが、狭義では「救世主」を意味する。大部分は救世主のことであるが、ここでは広義のそれである。悟りたる者の中には「第一の悟り」も含まれ、それは「人間の本質は霊であり神の実在を信じること」ができるようになることであり、この地上に生まれた人間の「最初の悟り」である。

[2-13] わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの座がある。あなたは、わたしの名を堅く持ちつづけ、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時でさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。

[2-14] しかし、あなたに対して責むべきことが、少しばかりある。あなたがたの中には、現にバラムの教を奉じている者がある。バラムは、バラクに教え込み、イスラエルの子らの前に、つまずきになるものを置かせて、偶像にささげたものを食べさせ、また不品行をさせたのである。

[2-15] 同じように、あなたがたの中には、ニコライ宗の教を奉じている者もいる。

★ サタンの座--悪魔サタンの地上における活動拠点。サタンに心を支配された人間があなたとともに住んでいるということ。
★ 私の忠実な証人--神の教えを守り、広める者。神の存在を語り伝える者。
★ つまずきになるもの--欲望をそそるもの。堕落する原因となるもの。

 「イスラエルの子」とは、人類存亡の危機の時代(二十世紀末の現代)において救世主とともに地上に派遣された天使たち(十四万四千人・7-4 参照)のことであり、悪魔に心を支配された人間は様々な誘惑と惑わしによって、救世主や天使たちを堕落させようとする。

 神は何度も「偶像を崇拝してはならない」、と厳しく言っておられる。偶像そのものはただの石や金属であって何の害もないものである。そのようなものを崇拝する人の「心の在り方」に落とし穴があり、やがて悪魔がその人の心の中に忍び込むことになるのである。

[2-16] だから、悔い改めなさい。そうしないと、わたしはすぐにあなたのところに行き、わたしの口のつるぎをもって彼らと戦おう。

★ 悔い改めなさい--「念いと行い」のどこに間違いがあったかを知り、深く反省すること。
★ 口のつるぎ--正邪を分かつ剣。神の叡智の言葉[1-16] 参照。

【意訳】

[2-16] あなたの仲間の者でサタンの支配下にある者を反省させ、サタンを追い出しなさい。そうしなければ、わたし(人の子のような者)はただちにあなたのもとへ行き、神の言葉をもってその者たちと戦うであろう。

 神の言葉、神理の「言葉の波動」は悪魔の最も嫌う波動である。「口のつるぎ」とはこのことからくる暗示の言葉である

[2-17] 耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい。勝利を得る者には、隠されているマナを与えよう。また、白い石を与えよう。この石の上には、これを受ける者のほかだれも知らない新しい名が書いてある」。

★ 隠されている--心の奥底に内在するもの。心の奥は実相世界に通じる部分。
★ マナ--超能力、超自然の力。霊的な力のこと。前編第七章 救世主「隠されたマナ」参照。
★ 白い石--地上に生まれる前の記憶のファイル。
★ 新しい名--地上に生まれる前の名前、または前回地上に生まれた時の名。前編第六章 輪廻転生「白い石と誰も知らない新しい名」参照。

【意訳】

[2-17] 知慧のある者は、神の使いである私の言葉をよく聞き、その意味するところを理解しなさい。神理に目覚め、悟りを開いたる者(救世主)には、内在する霊能力がよみがえるであろう。また、幾多の転生の経験と本来の名前を思い出し、限りない神の叡智を得るだろう。

 悟りを開き霊道を開くと、「知慧の泉」から限りない智慧が湧きだすと同時に、記憶の封印が解かれて本来の霊としての記憶を思い出す。過去何度も輪廻転生した時の経験や、それを受ける者は知っているが、その他の者は誰も分からない名前、すなわち自分が何者かを知り、過去世の名前を知るのである。仏教でいわれる「般若の智慧」とは、このことである。智慧の源泉は、過去の記憶や経験だけではなく、守護霊や指導霊の直接的指導である。救世主が悟りを開いた時は、全天上界の神・大指導霊の指導を受けることができる。

[2-18] テアテラにある教会の御使(みつかい)に、こう書きおくりなさい。「燃える炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足とを持った神の子が、次のように言われる。

[2-19] わたしは、あなたのわざと、あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐とを知っている。また、あなたの後のわざが、初めのよりもまさっていることを知っている。

[2-20] しかし、あなたに対して責むべきことがある。あなたは、あのイゼベルという女を、そのなすがままにさせている。この女は女預言者と自称し、わたしの僕(しもべ)たちを教え、惑わして、不品行をさせ、偶像にささげたものを食べさせている。

[2-21] わたしは、この女に悔い改めるおりを与えたが、悔い改めてその不品行をやめようとはしない。

★ 燃える炎のような目と・・・神の子--「人の子のような」大指導霊(1-13~16)参照。
★ わざ--神理の伝道のわざ。人を教え導く、その力量。
★ 後のわざ--努力した結果、教えの実践においてよりすぐれた力量になったこと。
★ 初めのより--教えを学んだ当時の神理伝道の力量のこと。
★ わたし--人の子のような大指導霊。
★ 僕(しもべ)--神の使徒、伝道者、または神理を学ぼうとしている者。
★ イゼベルという女--悪魔サタンの支配下にある女。

 神の使徒として地上に降りた天使たちの心を巧みに惑わし、堕落させようと企むのであるから、非常に罪が重い。

[2-22] 見よ、わたしはこの女を病の床に投げ入れる。この女と姦淫(かんいん)する者をも、悔い改めて彼女のわざから離れなければ、大きな患難の中に投げ入れる。

[2-23] また、この女の子供たちをも打ち殺そう。こうしてすべての教会は、わたしが人の心の奥底までも探り知る者であることを悟るであろう。そしてわたしは、あなたがたひとりびとりのわざに応じて報いよう。

★ 姦淫する者--この女の「汚れた思想」の毒に影響される者。
★ 彼女のわざ--善良な民を惑わし堕落させていく思想・言動・行い。
★ この女の子供たち--この女の思想に完全に支配され、その配下として働く者たちのこと。
★ ひとりびとりのわざ--ひとりびとりの「念いと行い」。

【意訳】

[2-22] 見よ、わたしはこの女を病の床に投げ入れる。この女の「汚れた思想」の毒に影響される者たちをも、悔い改めて彼女の影響から離れなければ、大きな患難の中に投げ入れるであろう。

[2-23] また、この女の配下として働く者たちをも打ち殺そう。こうしてすべての教会は、わたしが人の心の奥底までも探り知る者であることを悟るであろう。そしてわたしは、あなたがた一 人ひとりの「念いと行い」に応じて、その報いを与えるであろう。

 悪魔サタンの支配下にある「この女」は神理を巧みに曲げて教え、善良な民を惑わし堕落させていくのである。

[2-24] また、テアテラにいるほかの人たちで、まだあの女の教を受けておらず、サタンの、いわゆる「深み」を知らないあなたがたに言う。わたしは別にほかの重荷を、あなたがたに負わせることはしない。

[2-25] ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保っていなさい。

★ いわゆる「深み」--堕落させたり、惑わしをかけるときのサタンの巧妙さ。
★ ほかの重荷--イゼベルという女を回心させたり、悪魔サタンと「戦うという重荷」。
★ わたしが来る時--地上を浄化するために、人類に下される神の大鉄槌の時。
★ 自分の持っているもの--神に対する絶対の信仰・神の教え・神理・心の王国。

 最初は真実の中にほんの少しの惑わしを入れて徐々にその人間を堕落させていき、最後には完全に支配下におく。いかなる人間にも必ず弱点があり、とくに名誉欲や権力欲に勝てる者は少ない。地上で、悪魔サタンと「戦える者」というのは、神の代理人である救世主やこれに準じる方、たとえば大天使ミカエルや如来と呼ばれる方々以外には存在しない。悪魔サタンと「戦う」ことと、「影響下に入らない」ということとは全く別のことである。神の教えに沿った心の状態を保てば、地上で魂の修業中であるどのような境涯の方に対しても、悪魔や悪霊は指一本触れることはできないのである。

[2-26] 勝利を得る者、わたしのわざを最後まで持ち続ける者には、諸国民を支配する権威を授ける。

[2-27] 彼は鉄のつえをもって、ちょうど土の器を砕くように、彼らを治めるであろう。それは、わたし自身が父から権威を受けて治めるのと同様である。

[2-28] わたしはまた、彼に明けの明星を与える。

★ わたしのわざ‥‥者--神の代理人としての使命を果たそうとする者。救世主。
★ 最後まで--肉体の死まで。
★ 支配--地上における、次の文明づくりに関する全権が神より与えられるという意味。救世主にはそのような権威が与えられている。
★ 鉄のつえ--神の代理人である救世主の「鉄のつえ」ような圧倒的な智慧・愛・信仰心を暗示する言葉。前編第七章 救世主「鉄のつえ」参照。
★ 彼らを治める--地上文明の基礎づくり、地上人類の規範となる教えを残すこと。
★ 父から権威を受けて--「全知全能の神エホバ」より神の代理人としての力を与えられること。
★ 明けの明星--救世主の代名詞。前編第七章 救世主「明けの明星」参照。

【意訳】

[2-26] 悟りを開き、そして神の代理人としての使命を生涯をかけて果たす者(救世主)には、全世界の人びとを教え導く権威(神の力)を与えるものである。

[2-27] 彼(悟りたる者、救世主)は神の代理人として、圧倒的な「愛と叡智」をもって、全世界の人びとの(未来数千年にわたる)文明の規範となる教えを残すであろう。それは私自身が全知全能の神エホバより授かって、神の力を行使するのと同様である。

[2-28] わたしはまた、彼に救世主の称号である「明けの明星」を与える。



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